こんにちは、くまたんです。
今回もジュディス・ヒューマンさんの
「わたしが人間であるために」を
ご紹介させて頂きます。
よろしくお願いします。
「 わたしが人間であるために 」〜シリーズ⑦
第二章 不服従
今回は前回の最後に書きましたように、著者がニューヨーク市教育委員会から不合格通知を受け取る所から書いていきたいと思います。
三ヶ月後に著者の元にニューヨーク市教育委員会から不合格の通知が届く。
理由は「両下肢マヒ及び脊髄性小児まひによる後遺症」
著者はこの時、何の驚きもなかったと綴っています。
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わたしは、歩けないという理由で、子供に対する脅威だと正式に判定されたのだ。
うつす病気を持っているわけでもないのに、どういうわけか、感染源だとみなされた。
わたしがどれだけ頭が良かろうと、能力があろうと、良い成績を収めようと、豊富な経験を積もうと、関係なかった。
p86より
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日本でもうつる病気ではないのに
障がい者や精神疾患の方々を必要以上に隔離したり、人間としての尊厳をいちじるしく傷つけたりなど、今も偏見や差別が続いている。
健常者だけが社会のルールのようにみなしている。
だから子どものうちから隔離してしまうために
悩み、苦しんでいる人たちがいることも知らずに
子どもたちは育つ。
必要以上に避け、遠ざける人たちもいるのが現実です。
障がい者の方々がみじめに感じたり、周りの迷惑だと思わせるような空気を作っているのは健常者の方だ。
皆が笑顔で助け合い、困っている方が後ろめたい思いをしなくてもいい社会になることを願い、自分の回りから始めていきたいとわたしは思います。
誰もが大切で大事な存在なのだから、表面の見える部分だけで他人と比較しないことも大事なことだと思います。
多くの方々が日々、悩み過ごしている中で
互いが助け合っていける形がいいですよね。
こんな当たり前のこともつい忘れてしまう。
私は以前は失敗を恥だと思っていた時期がありました。
しかし今は、失敗は恥じることじゃないということを学びました。
誰もが不完全な存在だからこそ自然な人間であり
完璧な人間はいない。
完璧であると言い切ることの方が不自然だとわたしは思うのです。
自分にも他人にも思いやりを持ち
尊重していけるように
否定や批判ではなく
ありのままを受け入れ
自分が自分であることに
自信を持てる場所を作っていきたいと
私は改めて思いました。
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第三章 闘うか闘わざるべきか p87より
著者は自身の権利を求めるために教育委員会と
闘うかどうかという決断をするまでに悩みに悩んだ。
「車いすの女性が教えられるの?」と大勢の人から思われるなかで、本当に自分にできるだろうか?
もし、闘いに勝ったとして、いざ教壇に立たせてみたらひどい教師だったという結末になったら?
「やっぱり障害者が教えるなんて無理だ」と思われるきっかけになったら、その後に続くみんなの夢を潰すことにならないだろうか?
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もし障害のある先生が何千人もいれば、そのうちのひとりがひどい教師でも誰も気づかないだろう。でも障害のある教師は私一人で、そのわたしがしくじったら…。
世間の障害者に対する見方にどんな影響を与えてしまうのだろう?
考えるだけで気持ち悪くなった。
p88より
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そんな中、たくさんの障害のある仲間たちが闘うべきだと勇気づけるために集まってくれた。
著者の事案が一つの事例になり得ることも全員が理解していた。
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私たちの問題について、世間の意識を高めることができるかもしれない。
わたし自身もそう信じていた。
〜中略
「わたしが闘わなかったら、誰がやるの?」
p88より
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手始めに3年前にも電話で相談したACLU(アメリカ自由人権協会)に連絡をした。
3年前に電話した時はもし、何かあった時はまた連絡をくださいと言われていた。
面談の予約をしようとすると、事務所に来る必要はないと言う。
裏付けになる書類を何でもいいから送ってくださいというので送付すると、数日後にかえってきた言葉は「これは差別には該当しません」という信じられない返答だった。
著者は「もし雲行きが怪しくなっても、ACLUが助けてくれる」と言い聞かせてきた。
公民権運動が著者のインスピレーションの源であり、障害のある方々に問題があるのではなく、社会のあり方が問題なのだということを学ばせてもらってきた。と綴っています。
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それなのに、ACLUは障害を持っているわたしに原因があると言っているのだ。
ショックで言葉が出てこなかった。
p89より
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これこそダブルバインドと言えると思います。
一方では社会のあり方が問題だと言いながら
その同じ口で、今度は教師になれないのは障害のあるあなたに問題があるからだと言われたら誰だって混乱するし、こんな酷い二次加害はないと思います。
1964年当時は公民権法において、障害は対象外だったそうです。
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公民権法は人種、肌の色、宗教、出自を理由とした差別に終止符を打つことを企図していたが、障害については一言も触れられていなかった。
根拠として持ち出せる法律もなければ、引用できる判例もなかった。
p90より
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その後もACLUに説明を試みたが
その扉も閉ざされてしまった。
著者はこの時、憤慨していたが、ACLUの対応について実際は心の奥底では深く傷ついていた。
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ACLUの対応が、
わたしに闘う決意を固めさせた。
ACLUでさえ教育委員会の行為がなぜ差別か理解できないのなら、わたしに起きたできごとを世にぶっ放すまでだ。
p91より
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この後、著者は「ニューヨークタイムズ」で非常勤の地方特派員をしていた障害のある男の子と繋がり、記者とのインタビューに答えたことで大々的に取り上げられることになる。
そして、この記事がきっかけで後の闘いにおいて重要な役割を担う、ロイ・ローカス弁護士と出逢うのです。
次回は 教育委員会との訴訟とその結末まで書いていきたいと思います。
私は毎週、日曜と水曜を担当させて頂いております。
もし、今回の記事に対して何か感じる事がありましたら、ぜひ、皆さんの声もお聞かせ頂けたら幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
担当:くまたん
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過去記事のリンク
ぜひ、こちらも読んでみてください♪
シリーズ① 「チベットの生きる魔法」
"師からの助言"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/20/120000
シリーズ② 「チベットの生きる魔法」
"物事は悪くとってはいけないよ"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/23/120000
シリーズ③「チベットの生きる魔法」
"変化しないものなどない"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/27/120000
シリーズ④「チベットの生きる魔法」
"無我について"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/30/120000
シリーズ⑤「チベットの生きる魔法」
"苦、不満足について"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/04/120000
シリーズ⑥「チベットの生きる魔法」
"ただここにあることをまなぶ"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/07/120000
シリーズ⑦「チベットの生きる魔法」
"戦士のスローガン"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/11/120000
シリーズ⑧「チベットの生きる魔法」
"四つのかぎりない特性"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/14/120000
シリーズ⑨「チベットの生きる魔法」
"愛あふれる優しさ"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/18/120000
シリーズ⑩「チベットの生きる魔法」
"愛あふれる優しさ②"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/21/120000
シリーズ11「チベットの生きる魔法」
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→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/25/120000
シリーズ12「チベットの生きる魔法」
"トンレン"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/28/120000
シリーズ13「チベットの生きる魔法」
"心に響いた言葉"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/01/120000
シリーズ14「チベットの生きる魔法」完結
"偏見のない心で"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/04/120000
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シリーズ① 「死について41の答え」
"疑いを尊重する"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/08/120000
シリーズ② 「死について41の答え」
"疑いを信頼する"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/11/120000
シリーズ③ 「死について41の答え」
"信者ではなく探求者に"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/15/120000
シリーズ④ 「死について41の答え」
"人のことを考えるな"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/18/120000
シリーズ⑤ 「死について41の答え」
"この世から自由になる"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/22/120000
シリーズ⑥ 「死について41の答え」
"この世から自由になる②"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/25/120000
シリーズ⑦ 「死について41の答え」
"未知なるたび"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/01/120000
シリーズ⑧ 「死について41の答え」
"死は最後のタブー"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/05/120000
シリーズ⑨ 「死について41の答え」
"自分を犠牲にしない"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/08/120000
シリーズ⑩ 「死について41の答え」完結
"全世界を忘れる事だ!"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/12/120000
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シリーズ① 「わたしが人間であるために」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/15/120000
シリーズ② 「わたしが人間であるために」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/19/120000
シリーズ③ 「わたしが人間であるために」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/22/120000
シリーズ④ 「わたしが人間であるために」
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