アコアのブログ

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「子どもを生きればおとなになれる」シリーズ⑦~アコアOnlineBookSalon


※『アコアOnlineBookSalon』は「コロナウィルス感染症:いのちとこころを守るSOS基金」に寄せられた市民の方のご寄付によるご支援を頂き2021年12月末まで行う事業です。

 

 

担当:伊藤 楓

「子どもを生きればおとなになれる」

著者:クラウディア・ブラック

水澤都加佐 監訳 / 武田裕子 訳


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皆様こんにちは😊楓です。


「子どもを生きればおとなになれる」シリーズ⑦です。


前回のシリーズ⑥では、「痛みに対する感情の反応」について書きました。


今回は、「痛みに対する感情の反応【激怒】」について

書きたいと思います。


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【痛みの反応としての「激怒」】


「恐れや、怒りや、屈辱感や自己否定感が

たまりにたまって満杯になったタンク、

それが激怒です。」p51より抜粋


「怒りを爆発させる手段に出る時」

これ以上痛みに耐えたくないという限界の

反応。

絶望し他に方法がないとき

自分の言うことを聞いてもらう為

こっちを見てもらうため

価値を認めてもらうため


▫️激怒が生活の中で欠かせなくなっている人

子ども時代に、自分の感情の中で怒りだけが

唯一安全に表現できるものだと気づいた。

他のもろい部分はすべて、怒りの仮面の下に

隠す。


すぐカッとなる人

・他のどんな感情の動きもみせません。

・怒りが噴出するまであらゆる感情にしっかり

蓋をしている。

・なんの兆候もなく、突然に、錨を投げ付ける。

・他人をさんざんにこきおろす。

・店員さんに向かって、限りない文句を

並べ立てる。

・意見の食い違いにがまんならない。

・突然、出ていく。

・暴力や暴言の形をとる。


【結果】

怒ってばかりの人は近所や地域でも

敬遠されがちになる。

一人孤独に暮らしていたり、人づきあいが少ない

生活を送っている。

どこに住んでもうまくいかなくなり、引越しを

繰り返す。

→自分自身の言葉や行動を改めない。

→回復の手段を遠ざけ孤立する。

→自己否定を繰り返す。

→他人に当たらり散らす。

これらを繰り返しながら生活してしまう。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

怒りで荒れ狂っている人は、はた目からみたら

コントロールを失っているように見えますが、

本人はまさに怒りの只中で支配権を握り、

力に溢れていると感じています。

怒りを爆発させているときは、もはや

自分が無能だとも欠点だらけだとも

感じずにいられるのです。激怒の背景には

これ以上傷つく体験をしないよう自分を守りたい

という思いがあります。p52より

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


【激怒】についてまとめてみました。


▫️怒りの爆発は、偽りの力の感覚(本人にとっては

魅力的な感覚)によって無力感や自己否定感を

埋め合わせようとする行動である。


⚠️「怒り」が空しさや無力感や痛みから、自分を

守るためにとれる唯一の方法だと思ってしまう。


怒りを表すことで人々を遠ざけ、自分を守る

効果がある(と思い、誤解している)


自分では醜いと信じている内面を他人に

見られずにすむと思っている。


怒りの爆発で自己否定感を他人に移し替えることで

自分を守る効果もあります。


【あからさまに怒りを表わす人】

犠牲者になりそうな相手、つまり虐待を

耐え忍び自己否定感を背負い込んでくれそうな

相手を選んで怒りを表している。


→他人を怒りで支配しようとし、相手の感情や

思考をコントロールしようとする。


【激怒】

表現することを決して許されなかった怒りが

積み重なった結果として出てくる場合も

あります。


抑えこんだ怒りは、心の中に根づく。

時とともにふくらむ。

しつこく居座った恨みとして化膿するかもしれない。

慢性的なうつにおちいる。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

怒りのはけ口がない状態が続くと、

ある時いきなり敵意に満ちた行動として

爆発し、暴力行為や殺人に至ることさえあります。

こうした行為は、痛みに耐えられず、葛藤を

解決できず、他の選択肢に気づくことができずに、

感情が蓄積された結果なのです。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈p53より


なんの前触れもなく突然怒り出す人、

人に当たり散らしたり、他人の悪口を汚い言葉を

使い、例えをだし、他人をバカにし差別的な発言を繰り返す人、

過剰な程の悪口を伝えようとする人、

無関係な人までを巻き込み、トラブルに発展

してしまう人、様々な場面で時と場所を

選ばず激怒している人。


身近でも、SNSや職場や家庭、駅やお店、様々な

場所で怒りを爆発させている方を見聞きするように

なりました。


怒りは時と場所をきちんと選び、

他人に迷惑をかけない方法を選択すること。


カウンセリングを受けカウンセラーに聞いてもらう。

瞑想会などに参加してみる。

仲の良い人に話を聞いてもらう。

カラオケに行く。

など


言葉選びは生きる上で大切な項目のひとつです。

同じことを伝えても、怒られる人、褒められる人

好かれる人、嫌われる人がいるように、

自分以外の誰かに何かを伝える時、怒りにまかせ

頭の中に浮かんだ単語をポンポン出すのではなく、

頭の中で一度考えてみる。


「この言葉を相手に伝える必要があるのか?」


暴言は、伝える必要はありませんよね。


伝えることが苦手であっても

言葉を大切にしている方は、人を怒らせることは

ありません。


例えば、あなたは他人に暴言を吐きたくなったらどうしますか?


私は、尊敬する大好きな方にこう教わりました。


"攻撃的な言葉や罵りはカラオケやトイレ等を

ご利用ください。(時と場所を選ぶ、他人を巻き込まない)


ACは、親や周りの大人たちの愚痴の掃き溜めにされてきた経験が多いです。「自分はゴミ箱ではない!」と理解すること。


このように教わりました。


また、ある方はこう言いました。

「暴言を吐きたくなったら石を拾い、

石に向かって言いなさい。」


私たちACは、子どもの頃に嫌という程、

親や大人達の愚痴を聞かされてきました。


施設の職員は、毎日のようにこういいました。

「安月給でお前らのお世話をしてやっているんだ!」

初めはショックを受けますが、そのうち慣れてきて

聞こえないフリをし、悲しい、寂しいと

思う気持ちをどんどん押し込めます。


私達はゴミ箱でもないし、ゴミ処理場でもない。


自分の怒りの感情は、適切な時間に、適切な場所、

適切な方法を選んで消化すること。

他人に迷惑をかけ当たり散らしても解決しません。


大人ならば、ベストな方法を自分で自由に選択できるのです。


子どもにも怒りの発散方法をきちんと対話の中で

説明し、伝え教えることも大人責任だと思うのです。


他人へ自分の感情や気持ちを理解して欲しい時は、対話のキャッチボールをする。


何を伝えたいのか、言葉が出なければ、

その事も素直に伝えてみる。


一方的にボールを投げ付けるドッジボールは、

攻撃的なゲームです。相手はボールを当てられるととても痛いのです。


私は子どもの頃からドッジボールが大嫌いでした。


安易に他人を利用してストレスを発散したり、

怒りを相手にぶつける行為は、浅はかな行為なので、

別の手段を選択するようにしましょう。


自分の感情や言動に責任を持つことは、

大人の私たちが、子どもたちに教えられる

大切なことです。


子どもなどの自分より弱い立場の方々を

狙うドッジボールはやめましょう。


次回シリーズ⑧では、

【痛みへの反応としての「うつ」

について、まとめていきたいと思います。


シリーズ⑦を読んで下さりありがとうございます。

次回引き続きシリーズ⑧をご紹介します!!

 

❁✿✾担当:伊藤  

毎月、月曜日と金曜日。月に計8回で更新しています  ✾✿❁︎

-----------------------------٭.*・゚ .゚・*..*٭

 

私には、新しい方向へと人生を

建てなおすだけの価値がある。


自分を認めるための言葉

クラウディア・ブラック

 

―――


様々な本に出逢える幸せと

この記事を読んで下さる皆様へ感謝致します。

 

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【伊藤 :前回ご紹介した本】


「子どもを生きればおとなになれる」シリーズ①

「何を喪失したのか分からない」

 https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/16/120000


「子どもを生きればおとなになれる」シリーズ②

子どもが「見捨てられる」

 https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/19/120000


「子どもを生きればおとなになれる」シリーズ③「境界の混乱」

 https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/23/120000


「子どもを生きればおとなになれる」シリーズ④「喪失が与える影響」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/26/120000


「子どもを生きればおとなになれる」シリーズ⑤「現在の痛みのサイクルに気づく」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/26/120000


「子どもを生きればおとなになれる」シリーズ⑥「痛みに対する感情の反応」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/06/120000


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「考える人とおめでたい人はどちらが幸せか」

シリーズ①「考えることを楽しめ!」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/09/120000


「考える人とおめでたい人はどちらが幸せか」

シリーズ②「どうして学校に行かなければならないのか」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/12/120000


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「世界最高の教室」シリーズ①

「生きる力をつける」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/28/120000

 

 「世界最高の教室」シリーズ②

「問題解決型学習」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/02/120000


 「世界最高の教室」シリーズ③

「自己主導性」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/05/120000

 

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「新・子どもの虐待」

 

シリーズ①「子どもの虐待対応フレームワーク」について

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/04/120000



シリーズ②「エンパワメントとレジリアンシー」についてhttps://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/07/120000



シリーズ③「子ども観と子ども像」について

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/11/120000



シリーズ④「体罰の六つの問題」について

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/14/120000



シリーズ⑤「怒りの仮面」について

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/18/120000



シリーズ⑥「性的虐待の深刻さ」について

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/21/120000



シリーズ⑦「DVが及ぼす影響」について

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/25/120000

 

 

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〇エンパワーチャンネル1/2

「社会的養護の当事者が語る 前編 伊藤 楓」

https://youtu.be/0wA-6n-uDy0

 


〇エンパワーチャンネル2/2

「社会的養護の当事者が語る 後編 伊藤 楓」

→ https://youtu.be/KTi7y8lQx8Y



〇エンパワーチャンネルhttps://youtube.com/channel/UCifhmLrFFzWMz5Eq8mr-hTA

 

 

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