※『アコアOnlineBookSalon』は「コロナウィルス感染症:いのちとこころを守るSOS基金」に寄せられた市民の方のご寄付によるご支援を頂き2021年12月末まで行う事業です。
担当:伊藤 楓
「子どもを生きればおとなになれる」
著者:クラウディア・ブラック
水澤都加佐 監訳 / 武田裕子 訳
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皆様こんにちは😊
今回ご紹介する本は「子どもを生きれば大人になれる」シリーズ①です。
虐待、ネグレクト、様々な依存性を持つ両親、
子どもが直面する生活環境のなかで、様々な大人の
問題が多くなり、社会問題として取り上げられる様に
なりました。
“AC(アダルト・チャイルド)とは、子ども時代の
痛みを抱えたまま、おとなになった人のことなのです。”
私は、本を読む時に同じ箇所を何度も繰り返し読む
癖があります。
特にお気に入りの部分を繰り返し読み、
作者の言葉選びや言い回しに共感することが
読書の楽しみとなっています。
この本は、途中で過去の出来事を思い出し
怖くなったら本を閉じて、ひとつひとつ自分へメッセージを伝えながら読めた本でした。
多くのACの仲間たちへ。
ぜひ、読んで欲しいと願うおすすめの一冊です。
はじめに。
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▷アダルトチルドレンについて
“親がアルコール依存症の家庭で育って成人した人
「adult children of alcoholics」の略語(ACOA、ACA、
アルコール依存者のアダルトチルドレン)。
生まれた言葉である。
親や社会による虐待や家族の不仲、感情抑圧などの
見られる機能不全家族で育ち、生きづらさを抱えた人。
「adult children of dysfunctional family」
機能不全家族の下で育ったことが原因で
(大人になっても)深いトラウマ(外傷体験)を
持つという考え方、現象、または人(大人)のこと。
頭文字を取り、単にACともいう。
どちらの意味も、医療における診断用語、病名ではない。”
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純粋で、周囲の世界ときずなで結ばれた子どもは、
年齢を重ねた今も私たちの中に生きています。
それが内なる子ども=インナーチャイルドの姿。
中略
AC(アダルト・チャイルド)とは、子ども時代の
痛みを抱えたまま、おとなになった人のことなのです。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈p14より抜粋
“私たちACは、心の中に慢性的な喪失を抱えています。けれど、自分が何を失ったのか、はっきりと
気づいていません”
著者は、こういっています。
“私たちに必要なのは、自分が何を失ったのか、
その正体を明るい陽の光元で確認してみることです。
そしてそれをきちんと言葉にすることです。”
“どうしてこんなに長い間、自分が抱えている
喪失の正体がわからずにいたのか…その理由です。”
育った環境はさまざまです。
虐待を受けて育った人たちに共通するものは、
「否認」「孤立」「硬直性」「シェイム(自己否定感・恥辱感)」
これが真実を見えなくしていたのです。
“「否認」のもとで育つとということは
「話すな」「感じるな」「信頼するな」というルールを
教えこまれるのです”
☆硬直したルールのもとでは、
「話すな」に加えて「質問するな」「考えるな」の
ルールがあるのです。
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育った環境で、その後の人生の幸福度は決まりません。
私は、ホームレスになった時に、
子ども時代に過酷な環境の中で育った方々を
自分の目で見てきました。
そして、その過酷な子ども時代の話を
沢山の方々から聞いてきました。
その方たちは、個性豊かで心が自由でした。
世間では「変な大人」と呼ばれることもありますが、
私は、自由な心を持ちとても人間らしく生きている
スタイルが大好きです。
社会で、ホームレスと呼ばれ、
精神疾患の患者と言われ差別的な扱いを
された現場も目撃し、私も酷い扱いを受けました。
こどもの頃に大人によって傷つけられた傷を
抱え生きているだけで、
酷い目に合うことがあります。
子どもの頃、両親はどんな人だった?と
大人に聞かれたら
「酔っ払い」と答えていました。
薬物とアルコール中毒で暴力的。
いつもふにゃふにゃしながら、怒鳴り声を
あげていたイメージを答えました。
大人には大人の事情があると言われても
子どもが犠牲になってもよい理由にはなりません。
だからこそ、大人になった今、
私たちACは、自分のこころを自分が理解し
自分でお世話することを放棄せずに
向き合う必要があるのです。
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【権利の目録】
・誰かの期待通りの存在だからではなく、
ただありのままの自分として大切にされる
・親の喪失を埋め合わせるための存在ではなく、
その子自身として慈しんで育てられる
・一貫性と、安全と、暖かさと、理解を
与えられ、無条件に愛される
・ひどく傷つくような状況から守られる
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私たちは、皆、この「権利の目録」を手にして
この世に生まれてきます。
この権利が奪われてしまったときに、
私たちは混乱し、罪悪感さえ味わうことも
あるのです。
私は、親に見捨てられましたが、
大人になった今、楽しく生きています。
つらい過去を思い出すことがあっても
今に戻ることができます。
親には教えて貰えなかったことを、
多くの方々から教えて頂きました。
暴力的な親や大人に縛られ取り憑かれていた
過去を手放した時に、見えたものは、
「自由な今」でした。
この本のメッセージを何度も読み返しました。
お伝えしたいメッセージが沢山つまっている本です。
全てがいい。
怖がって読みはじめたけど、
知ることがとても楽しいと感じられる一冊。
読んでよかった。
知れてよかった。
と、思える一冊です。
シリーズ①を読んで下さりありがとうございます。
次回引き続きシリーズ②をご紹介します!!
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考えることで人生の可能性が広がり
感情や気持ちの幅が広がる。
シャルル・ペパン
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様々な本に出逢える幸せと
この記事を読んで下さる皆様へ感謝致します。
楓
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【伊藤 楓:前回ご紹介した本】
「考える人とおめでたい人はどちらが幸せか」
シリーズ①「考えることを楽しめ!」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/09/120000
「考える人とおめでたい人はどちらが幸せか」
シリーズ②「どうして学校に行かなければならないのか」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/12/120000
「世界最高の教室」シリーズ①
「生きる力をつける」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/28/120000
「世界最高の教室」シリーズ②
「問題解決型学習」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/02/120000
「世界最高の教室」シリーズ③
「問題解決型学習」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/05/120000
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「新・子どもの虐待」
シリーズ①「子どもの虐待対応フレームワーク」について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/04/120000
シリーズ②「エンパワメントとレジリアンシー」について→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/07/120000
シリーズ③「子ども観と子ども像」について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/11/120000
シリーズ④「体罰の六つの問題」について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/14/120000
シリーズ⑤「怒りの仮面」について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/18/120000
シリーズ⑥「性的虐待の深刻さ」について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/21/120000
シリーズ⑦「DVが及ぼす影響」について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/25/120000
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〇エンパワーチャンネル1/2
「社会的養護の当事者が語る 前編 伊藤 楓」
〇エンパワーチャンネル2/2
「社会的養護の当事者が語る 後編 伊藤 楓」
→ https://youtu.be/KTi7y8lQx8Y
〇エンパワーチャンネル→https://youtube.com/channel/UCifhmLrFFzWMz5Eq8mr-hTA
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