こんにちは、くまたんです🧸
今回もジュディス・ヒューマンさんの
「わたしが人間であるために」を
ご紹介させて頂きます。
よろしくお願いします。
「 わたしが人間であるために 」〜シリーズ④
第一章 蝶
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「障害の文化」は、見た目、考え方、信条、振る舞いの違いを理由に誰かを排除することなく、すべての人が持つ人間性を価値あるものとする文化を指す、ただの言葉に過ぎないかもしれない。
p46より
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これは仏教のようなもの、子ども文化、と言ってもいいかもしれない。
なぜなら、私たちは、教えられなくても子どもが自然とすることをしていただけだったとも言っています。
それらは
・十分に聴き合い
・本当の意味でお互いを理解するために
ゆっくり時間をかけること。
・質問をすること。
・つながること。
・楽しむ方法を見つけること。
・学ぶこと。
私の実家の近くには精神病院がありました。
私が子どもの頃、差別をする人たちを見てきました。それは大人からのアクションだったように思います。
「あの人は変な人だから」
「あの病院には近づかないように」
その人たちに近づいて話をしようとすると止められるのです。
始めはなぜなのか?あの人たちと遊んだり、話をしてはなぜいけないのかがわかりませんでした。
そう言われ続けたことで、いつの間にか「そういうものなんだ」と自然となっていったように思います。
小学校などでも、少し雰囲気が違う子がいると認識していましたが、6年生になる頃にはそういった子ども達はいつの間にかクラスからいなくなっていました。
子どもたちは「障害の文化」をそもそも教えてもらうことなく自然としていたはずなのに、いつの間にかそれらを大人たちから奪われていったように思います。
口では差別はダメだ、道徳では人に優しくなど教えておきながら、とても差別的だったと思います。
その当時、何かよくわからないけれど、そういった障がいを持つ方たちに対して得体の知れない不安を植え付けられていたように思います。
しっかりと大人たちが教えてくれることもなく、そういった方々を徐々に地域社会から排除していっていたのだなと、今ならわかります。
話を戻します。
ここで、著者はフリーダという1人の女の子と仲良くなります。
ここで、私がとても痛快だなと思ったエピソードがあります。
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フリーダとわたしがどちらかの家から出てきて、歩道を一緒に車いすをこいでいると、いつも通りじろじろ見られた。
でも、無視する代わりにふたりでいつもしていたことは、振り向いてこう言ってやることだった。
「写真にでも撮れば。そのほうが、ずっと見てられるよ!」
そう言って、ふたりで笑い転げたものだった。
p47より
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著者自身も以前のキャンディー屋での一件があった中で、この当時、学校に通い始めていなかったら、どうなっていただろうかと思うと綴っています。
フリーダや沢山の友だちと出会えていなかったら、きっと差別的な目で見てくる人たちにこのような痛快な返しはできていなかったのではないかと思うのです。
この部分を読んでいて、共通認識や共通言語をもつ人との出逢いがいかに大切か、そういった出逢いや縁をつむぐ場所の重要性も強く感じました。
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「ヘルスコンサベーション21」に通い出してから初めて迎えた夏、わたしは障害児のためのサマーキャンプに参加した。
〜中略
これが、その後十年にわたって続くキャンプとの付き合いの始まりだった。
p47より
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キャンプで著者は人生で初めての自由を味わったそうです。
それは、
・親に着替えさせてもらい
・親が着るものや食べるものを選び
・友だちの家に送ってくれる
それらから自由になれる場所だった…
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こうした自由は、障害のない子がそうであるように、本来なら成長するにつれ自然と手に入るものだ。でも、私たちらバリアだらけの世界にいきていたから、そうはならなかった。
親を愛してはいたけれど、私たちは親からの自由を渇望していた。
p48より
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ここで大事なのは
キャンプで感じた自由とは
単に親からの自由を意味するものではなく
生活のために親の日常的な支援を必要とすることからの自由を意味することではないということ。
それは
・自分の存在が負担になっていると感じなくてよい自由であり、キャンプの外の人生では常につきまとうこの感情からの自由。
現実では何かをお願いする時に、相手の親切心や善意頼みであり、その好意に甘えるということはその人が今していることを一旦止めてもらわねばならない。
著者はそのような時に相手の邪魔をしているような、侵害しているような気持ちにさせられたそうです。
でも、キャンプだけ全然違った。
キャンプは子どもたちのためにあった。
子どもたちのニーズを念頭において設計されており、親が子どもが参加するためにお金を払っていた。
誰かにお願いしなくては、と心配する必要もなく、キャンプの指導員たちはこういったことをするために賃金をもらっていた。
そのことが、世界を一変させた。
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キャンプは、もし社会が私たちを受け入れたら
こんな感じなんだろうな、と思うような場所だった。
p52より
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この時のキャンプとの出会い
「ヘルスコンサベーション21」での体験や経験がもしなかったら、あの公民権運動もなかったのではないかと思います。
Netflixの「ハンディキャップ・キャンプ」を見て、ある程度どのようなことがあったのかを知ることはできましたが、その裏での著者の細やかなこころの変化や出来事はわかりませんでした。
この本を読んで、その部分を補完でき、より当事者側の気持ちを知ることができました。
ぜひ、この記事を読んで興味を持っていただけたのであれば、Netflixの「ハンディキャップ・キャンプ」もぜひ見てほしいと思います。
次回は 「 第二章 不服従」 著者が「ヘルスコンサベーション21」にて高校へ進学した初めての生徒となります。
ここで、障害のない子たちの荒波に突然放り込まれてしまった著者はどのように乗り越えていくのか。書いていきたいと思います。
毎週、日曜と水曜を担当させて頂いておりますが、今週の水曜日はお休みとなります。
次回は10月3日(日)となります。
ご了承くださいませ。
もし、今回の記事に対して何か感じる事がありましたら、ぜひ、皆さんの声もお聞かせ頂けたら幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
担当:くまたん
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過去記事のリンク
ぜひ、こちらも読んでみてください♪
シリーズ① 「チベットの生きる魔法」
"師からの助言"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/20/120000
シリーズ② 「チベットの生きる魔法」
"物事は悪くとってはいけないよ"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/23/120000
シリーズ③「チベットの生きる魔法」
"変化しないものなどない"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/27/120000
シリーズ④「チベットの生きる魔法」
"無我について"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/30/120000
シリーズ⑤「チベットの生きる魔法」
"苦、不満足について"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/04/120000
シリーズ⑥「チベットの生きる魔法」
"ただここにあることをまなぶ"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/07/120000
シリーズ⑦「チベットの生きる魔法」
"戦士のスローガン"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/11/120000
シリーズ⑧「チベットの生きる魔法」
"四つのかぎりない特性"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/14/120000
シリーズ⑨「チベットの生きる魔法」
"愛あふれる優しさ"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/18/120000
シリーズ⑩「チベットの生きる魔法」
"愛あふれる優しさ②"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/21/120000
シリーズ11「チベットの生きる魔法」
"思いやり"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/25/120000
シリーズ12「チベットの生きる魔法」
"トンレン"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/28/120000
シリーズ13「チベットの生きる魔法」
"心に響いた言葉"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/01/120000
シリーズ14「チベットの生きる魔法」完結
"偏見のない心で"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/04/120000
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シリーズ① 「死について41の答え」
"疑いを尊重する"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/08/120000
シリーズ② 「死について41の答え」
"疑いを信頼する"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/11/120000
シリーズ③ 「死について41の答え」
"信者ではなく探求者に"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/15/120000
シリーズ④ 「死について41の答え」
"人のことを考えるな"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/18/120000
シリーズ⑤ 「死について41の答え」
"この世から自由になる"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/22/120000
シリーズ⑥ 「死について41の答え」
"この世から自由になる②"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/25/120000
シリーズ⑦ 「死について41の答え」
"未知なるたび"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/01/120000
シリーズ⑧ 「死について41の答え」
"死は最後のタブー"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/05/120000
シリーズ⑨ 「死について41の答え」
"自分を犠牲にしない"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/08/120000
シリーズ⑩ 「死について41の答え」完結
"全世界を忘れる事だ!"
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