※『アコアOnlineBookSalon』は「コロナウィルス感染症：いのちとこころを守るSOS基金」に寄せられた市民の方のご寄付によるご支援を頂き2021年12月末まで行う事業です。
担当:伊藤 楓
｢考える人とおめでたい人はどちらが幸せか｣
著者:シャルル・ペパン
訳 :永田 千奈
｢考える人とおめでたい人はどちらが幸せか｣～シリーズ①
※今回ご紹介する本はシリーズでお伝えしていきます。
―――
皆様こんにちは😊
今回新たご紹介する本は
考える人とおめでたい人はどちらが幸せか
～シリーズ①です。
幸せってなんでしょう？
例えば、権力や富、地位や名誉は表面的な
ものですよね。
その表面的なもののために、自分の中の幸せの理想を
完璧にしようと高い目標設定をし、自分や他人に
厳しく追い求めた結果、達成出来ない自分を責め苦しみ悩む。
それならば、たまたまラッキーで切り抜けられている
事実に目を向け、それに感謝してみる。
そうすると、自分はラッキー(幸運)なんだと
思えてくることで私は生きてきました。
私はいい加減でだらしのない人間なのですが、
それらがプラスに働くことも多かったのも事実です。
様々な困難となる出来事に直面したとしても、
自分にとってプラスになったことが多かったなと
ふりかえりをしてみました。
―――
幸せになりたければ、今の状態、
いまもっているものに
満足すればいい。
失って初めてそれが幸福だったと気づくのではなく
今のうちからその大切さに気づけばいいということ
でもある。
―――p13より抜粋
ちょっと思い返してみた。
今、私は生きている。
持病も障がいもあるが、幸せだと感じられる。
様々なことを教えてくださる人達にも恵まれた。
一人暮らしをし、好きなものを自分で選び食べている。
大人なので、自分で様々な選択も決定もでき、
自由に暮らしている。
愛を与えてくださる方々もいる。
嫌なことから離れる選択も出来た。
周囲の方々に感謝し、今、私は幸せです。
と、満足し言い切ることが出来る。
ただ、数年前は自分は不幸だと思っていました。
親に恵まれず、いじめにあい、死にたいとばかり
思っており、文句ばかり言っていました。
他人の家庭の事情も知らないのに、
家族がいて幸せな家庭が羨ましいと強く思い、
全てが上手くいかないのは親のせいだと思っていました。
まず、変化したきっかけはボランティア活動に
参加したこと。
老人ホームでおばあちゃんと歌をうたい、
お話をした時に、ありがとう、楽しいねぇと笑顔で
言われ、とても嬉しくなり自分の存在を
認めてもらえたような感覚がありました。
―――
つまり、不幸になって初めて幸福は言葉にできるのだ。
考えることは言葉にするよりもさらに苦しい。
考えるためには、対象と距離をおくことが
必要だからだ。
―――p13より抜粋
施設の中では誰かが必ずいました。
ホームレスになり、ひとりぼっちになった時
初めて施設の中で暮らせていた幸せを
思い出し、言葉にしていました。
｢なんだかんだ様々な事があっても、大勢の家族のような
仲間と暮らせて幸せだったんだな｣と。
―――
夏休みの最中、ふと新学期のことを考えて
気が重くなるとか、テニスを観戦中にふと未解決の
問題が頭に浮かび、試合に集中できなくなるとか、
日曜夕方の憂鬱な気分。
まだお楽しみの時間なのに、休憩時間は終わって
いないのに
中略
私たちは先のことを考え、不安になる。
考えることが幸せの瞬間をぶち壊しにするのは
｢未来を先取り｣することだからだ。
幸福、そして楽しい時間というのは｢今｣のものなのである。
中略
おめでたい人とは、今だけを生きることが
できる人のことだ。
―――p15より抜粋
もちろん、考えることで幸せが深くなるとの
解説もありました。
そして、おめでたい人の限界も書いてありました。
―――
｢深く掘り下げて考えることで本当に幸せになれる｣
エピクロス主義(快楽主義)は、苦悩のなかで
生きるのではなく、今ここにいる喜びを感じながら
生きるためにこそ、偶然について考えようと私たちに
提案してくれている。
中略
今現在のもつ偶然性について
知的に考えることができれば、
ちょっとした幸運だけでも、充分に今の
自分が幸せだと感じることだろう。
―――p20より抜粋
今回ご紹介している書籍の著者は哲学の教授。
テーマは、｢不幸｣を乗り越え｢これから｣を生き抜く力をくれる実践的哲学入門と書いてありました。
実は、初めは…
へぇ…と疑いながら読みはじめました。
月曜日〜日曜日1週間の実践的哲学。
思考から行動へ。
考えることを楽しめと提案されており
7つの章に分かれています。
少し否定してみようと思い自分なりに
考えながら読みましたが、途中で必ず
論破され、なるほど！そういうことかと
納得している自分がいました。
例えば、この人には言えないよね…
と言うような、人が指摘しにくい部分、言えない部分、
死について、死にたい気持ちについても
丁寧に説明しながら解説し、的確な言葉で
書かれています。
例えば、自分は不幸だとおもい悩む
人に感謝するのは馬鹿げてると感じる
多くの不安を抱え苦しいと思ってしまう
でも、だって…
そう思った時に立ち止まり
本当にそれでいいのだろうかと考えてみる。
世界には様々なことで悩み苦しい時期を
過ごしている方がいることを私は知っています。
困難を乗り越えなければならない時、生きる
苦しさも知っています。
私もそうでした。
その中で、幸せを発見することも体験してきました。
このような記事を書き、皆様にお伝えできる
ことは、今私が生きているからであり、
その機会を与えてくれる仲間がいることに
幸せを感じ、感謝しています。
シリーズ①を読んで下さりありがとうございます。
次回、シリーズ②へ続きます。
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「疑いはじめると不安がわいてくる。
それでも逃げてはいけない｣
人間らしく生きるために、より深く、
より良く生きるために考えてみよう。
悩む必要はない。
考えることを楽しめばいい。
シャルル・ペパン
―――
様々な本に出逢える幸せと
この記事を読んで下さる皆様へ感謝致します。
楓
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【伊藤 楓:前回ご紹介した本】
｢世界最高の教室｣シリーズ①
｢生きる力をつける｣
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/28/120000
｢世界最高の教室｣シリーズ②
｢問題解決型学習｣
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/02/120000
｢世界最高の教室｣シリーズ③
｢問題解決型学習｣
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/05/120000
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｢新・子どもの虐待｣
シリーズ①｢子どもの虐待対応フレームワーク｣について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/04/120000
シリーズ②｢エンパワメントとレジリアンシー｣について→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/07/120000
シリーズ③｢子ども観と子ども像｣について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/11/120000
シリーズ④｢体罰の六つの問題｣について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/14/120000
シリーズ⑤｢怒りの仮面｣について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/18/120000
シリーズ⑥｢性的虐待の深刻さ｣について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/21/120000
シリーズ⑦｢DVが及ぼす影響｣について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/25/120000
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〇エンパワーチャンネル1/2
｢社会的養護の当事者が語る 前編 伊藤 楓｣
〇エンパワーチャンネル2/2
｢社会的養護の当事者が語る 後編 伊藤 楓｣
→ https://youtu.be/KTi7y8lQx8Y
〇エンパワーチャンネル→https://youtube.com/channel/UCifhmLrFFzWMz5Eq8mr-hTA
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