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「子どもへの性的虐待」~アコアOnlineBookSalon


※『アコアOnlineBookSalon』は「コロナウィルス感染症:いのちとこころを守るSOS基金」に寄せられた市民の方のご寄付によるご支援を頂き2021年12月末まで行う事業です。

 

Twitter ⇒ @acoaBookSalon


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皆様こんにちは😊楓です。


「子どもへの性的虐待

著者 森田 ゆり


⚠️ 子どもの性的虐待について解説し、

実際の証言や事件報道も記載しています。

ここから先は、自己判断にて読みすすめて

ください。よろしくお願いいたします。



前回のシリーズ⑩では

「子どもによる性的加害」

~子どもによる性的加害の事実

についてまとめています。


今回のシリーズ⑪では、

「子どもの話を聴く」

についてまとめています。


こちらの本はシリーズですすめていきます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。


━━━━━━━━━━━━━━━


子どもが出した虐待のサインに気づいたら?


子どもは、時に奇妙な言動で虐待の

サインを出すことがある。


その事をまずは知って欲しいのです。


―――


小学生の男子Dが大人の性的玩具を体育館の

入り口の階段途中に置いていたことが

判明し、著者のところへ対応の相談が

あったそうだ。



私が子どもの頃、住んでいた施設では、

女子の下着が頻繁に盗まれることが

続いたことがある。

盗んだのは、性的な虐待を受け保護された

5歳の男児だった。



その他にも、子どもの様々なヘルプサインを

目撃してきた。


まず、子どもに関わる仕事や援助職で

合意をして欲しいことを筆者は下記の

ように書いています。


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さて、あなたがこの出来事の担当教師

だったら、ここからどう対応するだろうか。 


Dを呼びつけて事実確認をし、二度と

このようなことをしないよう

きつく叱るだろうか。


なぜこのような悪質なことをするのか

問いただすだろうか。


あるいはDの親と懇談して、Dの行動を

しっかり監督するように助言するだろうか。


そのいずれも良い結果をもたらすことには

ならない


まず、教職員で合意して欲しいことは、

これはD助けを必要としているサイン

だという理解である


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社会には様々な家庭の環境があります。


身近な人からの性的虐待、性的に刺激的な

こと、アダルトサイトなどを頻繁に見させ

られている、頻繁に子どもの前で夫婦喧嘩

をする家庭、(面前DVの目撃)など。


家庭内で、子どもが恐怖や不安に

さらされている可能性は高いのです。


私の住んでいた施設では、子どもが

大人の気にくわない言動をとると

「問題児の問題行動」として、罰が

ありました。


だから、職員が求める「返答」しか出来なく

なり、自分の気持ちや悩みなどを相談したり、

打ち明けることができませんでした。


━━━━━━━━━━━━━━━


子どもを責め、罰することは、

あらゆる意味で良い結果をもたらさない。


親にこのことを報告することも、安易に

すると取り返しのつかないことになる

ことがある。


━━━━━━━━━━━━━━━p125


と、著者は綴っています。


では、どのような対応がよいのか。


-----------------------------


子どもが安心して話せる場の提供である。


そして悩みを抱えている子どもと話すときの

必要最低限のノウハウを使って、子どもに

話させてあげることである。


-----------------------------p125


果たして、日本の社会でこのような

認識は広まっているだろか。


「たまたま」「運良く」そのような

教師や援助者などの大人が周囲に

いない限りは、性的虐待に理解があり

即時に対応出来る大人はまだまだ少ない

だろうと私は思う。


なぜなら、児童相談所でも、児童福祉施設

学校などでも性的虐待や児童間での

性的加害は日常的におこなわれており、

私も被害者であり、そして他の子どもの

被害も目撃してきたからだ。


児童相談所にいたっては、被害を受けた

子どもの対応のノウハウは熟知して

いなければならない機関なのに、

本書に載っていたようなプロフェッショナル

な対応ができる職員を私は見たことがない。


逆に、子どもを嘘つき呼ばわりしたり、

子どもを叱りつけ責め立てる職員は

よく見かけた。


社会では、保護されたら子どもの安全を

守るための一時保護所という認識が強いが、

実際の保護所の中は、まるで刑務所のような

場所でした。


理解しがたいルールが沢山あり、

大人は怖い存在だと印象づけるような洗脳

があり、恐怖の支配で成り立っていました。


一晩中泣いている子どももいました。


筆者の言うとおり、学校なり

相談した場所で、"子どもが安心して

話せる場の提供"があったとしたら、

家庭内で虐待をうけた多くの子どもたちも

心が救われたと思います。


━━━━━━━━━━━━━━━


性的虐待のサインに最初に気づいて

くれた人がどのように対応するかは、

その後の子どもの人生の明暗を左右

するほどに大きい。


Dの行動をサインとは気づかずに、

子どもの悪質な行為としてしか

見ることができずに子どもを罰したら、

子どもは一層孤立し、一層深い心の傷を

負い、二度と再び大人に打ち明けることは

無いかもしれない。


━━━━━━━━━━━━━━━p128


日本の社会では、子どもが「悪いこと」を

したら、言動を批判し、怒る、叱る、

注意をすることが一般的に行われているが、

子どもが安心をして相談できる場所や大人が

どれくらいいるだろうか。


すべての子どもにとって親や家庭が本当に

安全な場所だとは限らない。


相談したスクールカウンセラーや教師が

虐待をうけた子どもにとって脅威に

なる場合もある。


本書では、被虐待児との対話の技法

(カウンセリングではない)

紹介しているので、多くの大人たちに

ぜひ読んで欲しい。



━━━━━━━━━━━━━━━


性的虐待は子どもの身体、感情、精神、

魂のすべてにわたって深刻なダメージを

あたえるが、子どもの視点に立った

エンパワメント(本来の内的力を発揮

できる)な支援環境に支えられると、

すばらしいレジリアンシー(困難をバネに

した生命力)と自己治癒力を発揮して、

めざましい回復をしていく。


━━━━━━━━━━━━━━━p128


一番初めにご紹介した


「新・子どもの虐待」

~生きる力が侵されるとき~


こちらのブックレットでも、

エンパワメントと、レジリアンシーに

ついてご紹介しましたが、


すべての子どもには、本来の内的力を発揮できる力であるエンパワメントがあるのです。


海外のノンフィクションの映画や書籍を

見ると、被虐待児のカウンセリングの中で

よく聞く言葉がある。


「話してくれてありがとう」

「それはつらいね」

「それはこわかったね」

「あなたを信じるよ」

「きみは悪くない」

(虐待をされた自分が悪いと思い込んだ

子どもに対して)


それに対し、日本では

「先生も子どもの頃は親に叩かれたよ!」

「かわいそうに」

「全く酷い親だね」


と、同感の言葉や同情の言葉が多い。


本書の中で著者はこのように言っている。


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ただ、聴いてあげるだけでよい。

ただし、共感的に聴くことは安易に

同感することでも、同情することでもない。


-----------------------------p132


事実確認や専門的なケアは、

その後に任せればよいと。


まずは、虐待の事実を聴いてあげること。


大切なことがたくさん書いてありました。


子どもの性的虐待だけに限らず、

様々な虐待は今や社会問題となっています。


私たちがすぐにできることとは、

困っている子どもの話しに耳を傾け

聴くこと。


もしも、虐待を目撃したら

子どもが困っていたら…

困っている人がいたら…


あなたならどのような行動をとりますか?




「子どもへの性的虐待」シリーズ⑩を

読んでくださり、ありがとうございます。


次回のシリーズ⑪では、

「制度改革への提言」

についてまとめています。


❁✿✾担当:伊藤  

毎週、月曜日と金曜日。月に計8回で更新しています  ✾✿❁︎


 この本は、シリーズでお伝えしていきます。


-----------------------------٭.*・゚ .


子どもの虐待とは

子どもの大人に対する

信頼の裏切りである。


森田 ゆり


―――


様々な本に出逢える幸せと

この記事を読んで下さる皆様へ

感謝致します。

 

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