アコアのブログ

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「子どもへの性虐待」シリーズ⑨~アコアOnlineBookSalon


※『アコアOnlineBookSalon』は「コロナウィルス感染症:いのちとこころを守るSOS基金」に寄せられた市民の方のご寄付によるご支援を頂き2021年12月末まで行う事業です。

 

Twitter ⇒ @acoaBookSalon


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皆様こんにちは😊楓です。


「子どもへの性的虐待

著者 森田 ゆり


⚠️ 子どもの性的虐待について解説し、実際の証言や事件報道も記載しています。

ここから先は、自己判断にて読みすすめて

ください。よろしくお願いいたします。



シリーズ⑧では「ミーガン法の弊害」

についてまとめています。


今回のシリーズ⑨では、

「子どもによる性的加害」

についてまとめています。


こちらの本はシリーズですすめていきます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。


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日本で起きた事件


2003年の7月に長崎県4歳の男児が、

性的被害を受けた後に、高架駐車場から

突き落とされて死亡した事件で、12歳の

少年が補導された。


少年は事件前にも近所の子どもたちに

性行為を繰り返していた常習的性的加害者

だった。


━━━━━━━━━━━━━━━p64


昨年も大きな事件が報道されました。

子どもから子どもへの性的加害は、

今に始まったことではなく、昔から

多くあるのです。


私は当事者として、児童福祉施設や、

学校などの子どもが集まり、生活する場に

おいての子どもによる性的加害について

高校生の頃から声をあげてきました。


正確に言えば、私がもっと子どもの頃に、

周りの大人達に訴えていました。


しかし、大人はこう言います。


「ただのイタズラ、悪ふざけでしょ?」


「そんなこと気にしないようにしなさい」


様々な被害に対して、警察にも厚生労働省

法務省へ確認も繰り返し行ってきました。


施設内での子どもからの性的加害、

大人からの様々虐待は深刻な問題です。


しかし、機密性の高い児童福祉施設内の

出来事は、社会に多くの情報は流れません。


家庭で暮らす子ども達も、学校や学校外での

性的被害の出来事を、親に相談できる

子どもは本当に少ないのです。



私の場合は、周囲に誰一人としてそれは、

「性的な加害、性暴力だよ!」と言い切って

くれる大人は1人もいませんでした。


何十年と経った今、大人から子どもへの

性的虐待、子どもから子どもへの性的加害の

犯罪行為において、社会の変化はほぼ感じません。


性暴力に対する社会の意見も、私が子ども

だった当時と、今も殆ど何も変わらない

社会なのです。


同時に子ども守ることについて

「変化」しない社会であるということです。


おとな達が「沈黙」する社会は

怖いと感じます。


日本の社会は、子どもによる性暴力、

子どもへの性的虐待、様々な虐待に対し、

本当に無関心な社会です。


様々な虐待防止の活動をする方々へすら

誹謗中傷が飛び交う社会です。


本書には、様々な事件も載ってるので

是非ともご確認して頂きたいです。


警察が介入することもなく、新聞、ニュース

などで報道されることもなく未解決のまま

被害者だけが苦しむ日本の社会的な構造は、

とても不健全な社会なのです。


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著者の主催するエンパワメント・センター

には、遊び仲間や学校の友人から

性的被害を受けた女子や男子への心のケアを

求める相談が来るそうです。


男子生徒が繰り返す性的いじめにどう対処

すべきかの教師からの相談もあったそうです。


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中学生の男子が近所の公園でちいさな子ども

にお菓子をあげては、性行為を繰り返している。


自分の子どもも被害を受けたが、警察も

児童相談所も何もしてくれない、

どうしたらよいのか。


-----------------------------p66


このような相談もあったそうです。

何の対応もされていないことに慄然とする。

と、著者も言います。


私たちの住む日本は、まだまだ

被害者が声をあげられない社会であり、

被害者の家族も第二の被害者になる

社会なのです。


被害を受けて初めて、当事者の声に

耳を傾け、解決の難しさに直面します。


被害者や家族が受けた心の傷は、

解決などという言葉では片付けることも

できないのに。


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子どもへの性的加害者の4060%

18歳以下の男子であることを示す調査が

米国ではいくつも報告されている。


成人の性犯罪者の50%が最初の

加害行動を10代で始めているという

調査報告もある。


━━━━━━━━━━━━━━━p66


加害行為をする子どもはしばしば衝動を

コントロールする力に欠け、ストレス耐性

に弱い。


そして彼らの中で性的衝動と攻撃性は

密接なつながりを持っている。


━━━━━━━━━━━━━━━p67


この部分を読み、大規模な児童福祉施設

中での子どもの性的加害がなくならない

理由がわかりました。


恐らく、大規模な児童福祉施設

社会福祉施設で生活をした経験がある方は

想像ができると思います。


学校でもそうですが、暴力的な児童は

何かしらのストレスや抑圧されたテーマを

必ず持っています。


そして、その子どもの加害性に対し、

なんの対処もされないまま、その子どもが

大人になるのです。


日本の社会では、いじめっ子が大人になり、

自分の加害行為を武勇伝として変換し

面白おかしく他人に語るケースは

よくあります。


本の学校や各家庭、児童福祉施設では、

加害者の更生プログラムは重要視されて

いません。


いじめられた子どもが自殺したとしても、

加害者児童は、守られる傾向が強い

社会でもあります。


私が大人に訴えても、性暴力もいじめ、

その他の暴力は何も解決しなかったうえ、

更に、自分が悪かったんだと思い込まされた

ことは、大人たちの無知による二次加害

です。被害を語らず黙っていることが

「正しい」と思い込まされた時期も多くありました。



日本の社会の風潮は、被害者や当事者の訴えは、

ただの「愚痴」や「誰かの悪口」であり、

戯言だと思われることも多いのですが、

生きている限り、誰もがなんかしらの

当事者であるということを忘れては

いけないと私は思うのです。



日本では、女性が声あげると

"エセフェミニスト"等と

非難されることも多く、私も何度も

言われた経験があります。


被害者や当事者の声に耳を傾けない

限り、子どもの過ごす環境で「なにが」

起きているのか、起こるのか理解できません。


自分は被害者にならないから大丈夫。

自分の家族も絶対に大丈夫。


本当にそうでしょうか。


自分や大切な家族を守ることは、

当事者の話に耳を傾け、

健全な社会を作っていくこと。


子どもが過ごす可能性がある場所

においては、自分の子どもも含めた

全ての子ども達の安全を保つことへも

つながることになるのではないでしょうか。


大人が子どもに無責任なことを

言わないという単純なことすら学べない

社会では、子どもの安全は守れないと

私は思うのです。


大人が子どもへの虐待について学び、

子どもに正しい知識を教えることは

自分たちの安全にもつながります。


子どもに、ものごとを暴力で解決せずに

他の平和的な解決方法があること、

暴力以外の他の選択肢を選ぶ力を

おとなが子どもへ伝えていける社会に

なれば、悲しみを抱えながら生きる子どもが

減っていくのではないでしょうか。



先日、富と権力を振りかざし、性的虐待

様々な虐待を繰り返していた有名なアメリ

の性犯罪者ジェフリー・エプスタインの

ドキュメンタリーを見ました。


未成年者に性的加害、暴力を振りかざした

権力者たちは最悪な人達でしたが、

画面に出てきた当事者たちの言葉は

とても力強く、画面越しにパワーを

もらいました。



もうひとつのドキュメンタリー映画は、

戦争で荒廃したコンゴで、性的暴行を受けた

女性のために設立された

「シティ・オブ・ジョイ」も見ました。


ここでの生活や女性達がどのように

立ち上がったのかが描かれていました。


被害者である女性たちが、エンパワメントを

発揮する姿に、勇気をもらいました。


トラウマが湧き上がるかもしれません。

しかし、性暴力を受けた方々へ是非見て

頂きたい映画でした。


当事者である私達は、

様々な体験をしてきました。


それらの経験を、どの子どもたちが

いつ経験するか分からない社会である

可能性を考えるとゾッとします。



小児性犯罪者の加害の告白

https://www.fnn.jp/articles/-/145320


家族や自分自身が性的な犯罪をやめたい、

それらに関連するお悩みを持つ方。

日本で唯一の性犯罪・性依存治療専門医療機関

性障害専門医療センター SOMEC ~性犯罪の防犯、再犯防止治療活動 | NPO法人 性犯罪加害者の処遇制度を考える会




「子どもへの性的虐待」シリーズ⑨を

読んでくださり、ありがとうございます。


次回のシリーズ⑩では、

引き続き「子どもによる性的加害」

についてまとめています。


❁✿✾担当:伊藤  

毎週、月曜日と金曜日。月に計8回で更新しています  ✾✿❁︎


 この本は、シリーズでお伝えしていきます。


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正義の人と不正の人、

善人と悪人とを

切り離すことはできません。


罪を犯した者は、

傷つけられた者の被害者でも

あることが多いのです。


カリール・ジブラン

 

―――


様々な本に出逢える幸せと

この記事を読んで下さる皆様へ感謝致します。

 

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