アコアのブログ

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「子どもへの性的虐待」シリーズ⑩~アコアOnlineBookSalon

※『アコアOnlineBookSalon』は「コロナウィルス感染症:いのちとこころを守るSOS基金」に寄せられた市民の方のご寄付によるご支援を頂き2021年12月末まで行う事業です。

 

Twitter ⇒ @acoaBookSalon


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皆様こんにちは😊楓です。


「子どもへの性的虐待

著者 森田 ゆり


⚠️ 子どもの性的虐待について解説し、実際の

証言や事件報道も記載しています。

ここから先は、自己判断にて読みすすめて

ください。よろしくお願いいたします。



シリーズ⑨では「子どもによる性的加害」

についてまとめています。


今回のシリーズ⑩では、

「子どもによる性的加害」

~子どもによる性的加害の事実

についてまとめています。


こちらの本はシリーズですすめていきます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。


━━━━━━━━━━━━━━━


他の子どもに性的加害行動をする子どもは、

過去に性的被害を受けている可能性が

高いので、被害者としての対応も忘れては

ならない、と80年代のアメリカの

虐待専門分野では教えられていた。


90年代に入って、調査研究が進み、

それは必ずしも事実ではないことが

指摘されるようになった。


性的虐待加害者の中で、子ども時代に

性的虐待の被害を受けていたのは

20~30%だったという調査がある。


10代の性犯罪者の20~50%が

身体的虐待の被害を受けており、

40~80%が性的虐待の被害を

受けているという調査もある。


━━━━━━━━━━━━━━━p68


この問題に関するいくつもの国際レベル

での調査結果を概観した研究は、

他の子どもに性的加害をする思春期の

子どもで過去に性的虐待を受けていたのは

半数以下(17~47%)と報告している。


別の調査は、性的加害をした子どもの

約半分が以前に性的被害を受けており、

ほぼ全員がDVの家庭環境に育ったことを

報告している。


━━━━━━━━━━━━━━━


他の子どもに性的加害をする子どもは、

性的虐待被害経験の有無にかかわらず、

子どもが、発達に見合わない身体的、性的、

心理的暴力またはセックスの刺激に

さらされていると考えるほうが正確である


━━━━━━━━━━━━━━━p68


・家庭内で両親の暴力が絶えない。


・夫婦喧嘩が多い。


・大人が子どもを怒鳴る頻度が多い。


・大人が不機嫌な態度で物に当たる。


心理的、身体的虐待を行う。


・ネグレクトである


・親の性行動を子どもがしばしば

目にしている。


・ポルノ雑誌やビデオなどの性的刺激物が

家庭環境の中に常にある。


▹▸これらの環境は、子どもの情緒的、

身体的、性的な安心と安定の境界線が

侵害されている


▫️施設内の性暴力

児童福祉施設には、親の金銭的問題、

養育力の低下、放任、虐待などの事情から、

家庭で暮らせない18歳未満の児童生徒が

生活している。


━━━━━━━━━━━━━━━


入所児童の安心と安全がなによりも

保証されなければならない場で、

施設職員による性的虐待事件が

おきていたことが、時々新聞に載る。


中略


施設内での性的虐待は、入所児童間でも

相当数起きていて、どのくらいの件数で

子どもによる性的加害が施設内で

起きているかは把握されていない。


━━━━━━━━━━━━━━━p69


▹▸2000年に高知県中部の児童福祉施設で、

中学生以上の入所男子が小学生ら5人に

性的加害をしたり、中・高校生の入所

男女7人間での性暴力が繰り返しされていた

ことが発覚した。


▹▸2001年には、沖縄の児童福祉施設

男子高校生が同じ入所者の小学生たち

5人に性行為を強要する虐待が6ヶ月に

わたって、発生していたことがわかった。


このような事件は、児童福祉施設

だけでなく、自立支援施設や寄宿制養護学校

でも起きている。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


2020年には、全国の児童福祉施設で起きた事案を分析した結果が発表された。


男児から男児」全体の62%

同性間での性暴力が全体の7割、

被害児の4割近くは9歳未満の幼い子ども。


自治体職員や研究者ら約150人が参加した

セミナーでは、全国の21施設で過去10年に

起きた児童間の性暴力308ケースについての

分析が発表された。


男児男児に性暴力を働いたケースが全体の

62%を占め、男児から女児(27・3%)の

2倍以上に達していた。


女児から女児も8・8%あり、全体の7割超

が同性間で起きていた。


被害児の年齢は、9~11歳が32・1%と

最多だが、6~8歳が26・6%、6歳未満も

12・7%に達し、思春期前の幼い子どもが

被害を受けるケースが目立った。


半数以上は発覚までに複数回の被害を受けていたことも分かり、事態の深刻さを露呈した。

※神戸児童間性暴力研究会調べ


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


何度も著者も言っていましたが、

これらも氷山の一角なのです。


なぜなら、被害者の子どもの中には、

性的虐待、性的加害の被害を「絶対」に

誰にも相談しない、できない子どもたちも

多くいるのです。


さらに、日本の悪質な部分は、教育の中で

「何が性暴力」なのか、「何が性的加害行為」

なのかを子どもに教えない。


だから、子どもが平気でおしりや胸、

性器を触っても「ただの悪ふざけ」と

大人が口に出してしまうのです。


高校生までの子ども時代の私もそうでした。

無記名のアンケートですら書けません。


「なんでも」相談してね。

と言ってくれる優しいボランティアさん、

職員さんには心配するだろうと思うと

絶対に言えません。


学校の教師、警察、周りの大人たちにも

怖くて言えません。


大人に対し、不信感を持ち育った子どもは、

誰にも言わないという選択肢を選びます。


施設内だけのことではなく、家庭内で

虐待を受けた子どもが、「誰かに」

その事実を話すことは、恐怖となるので

話したがりません。


時に嘘もつき、加害者を庇う言動も

取ります。


自分が誰かに話すことで起こりうる未来を

想像します。本当に恐怖です。


矛盾との葛藤もあります。

加害者のその後の未来も

心配することすらあります。


自分さえ言わなければ、

全てがまるくおさまる。


そう考え、何も語らない子どもが

とても多いのです。


たとえ、自分がどんなに苦しくとも

誰かに事実を話し、相談することは

「恐怖」です。


加害児童、被害児童へのこころのケアは

急務なのに、おとなたちは口を揃えて

こう言います。


「あなたの施設が特別変な施設なのよ」


「私の知っている施設ではそんな話し聞かないなぁ」


「テレビで見た施設は楽しそうだったよ」


「保護された場所でそんなことがあるわけがない」


「子どもがすること。悪ふざけでしょ」


「あなたの過剰な反応なんじゃない?」


「あなたが心配しすぎ」


「日本じゃなく海外の話でしょ?」


「嘘っぽい話しだね」


「かまって欲しいの?」


「妄想の度が超えている。あなたは病気だね。」

など。


施設内の虐待、性的虐待、児童間の

性的加害の問題を私がこれまで話した時に

大人達に言われた言葉の一部です。


なんの知識もなく、社会問題に

無自覚なおとなたちにかぎって、

「何でも相談してね!」

と言います。


相談すると、否定の連続なのに

「なんでも」相談してねと言います。

とても怖くて相談なんて出来ません。


そして、最後には私が嘘つき

呼ばわりをされてしまう。

「あなた「も」悪かったんでしょ?」と。


そのまま、成長し大人になり困り事が

できても、誰かに助けを求められなくなります。


また、責め立てられる…

そう思いこころに重い蓋をしめて

こころの傷を「なかったこと」に

しようとします。


このような環境の中で育つと、

人に相談すること、助けを求めることが

「恐怖」となり、多くの当事者たちは

体験を語ることが出来なくなるのです。


私が高校生の頃に住んでいた

自立支援施設では、虐待、性的虐待

日常的にありました。


他の児童が暴力を受けている現場も

何度も目撃しました。


実家があり、頼れる知り合いが

いる多くの児童は隙をみて脱走をしていました。


帰る家がない子どもはただひたすら

虐待に耐えるか、又はその場しのぎで

逃げ隠れるか…

常に怯えて暮らす環境でした。


もちろん、日本での出来事です。


大人になってもトラウマは消えません。

自殺を選んだ友人もいました。


私が、施設内の虐待を発信し始めたのは

高校生の頃でした。


自分が虐待を受ける現実よりも、

小さな子どもが、殴られる姿を目撃し

泣いている姿をただ見ていた自分に無力さを

長く感じていました。


暴力を受けても、目撃しても反論すら

出来なかったこと、恐怖で動けなかった

ことをずっと後悔していました。


一家離散になり、小さな弟や妹もどこかの

施設で酷い目にあっているかもしれない…


小さな子どもが泣いているのを見ると、

自分の弟たちを投影し思い出していました。


子どもには、社会を変える力がありません。

子どもの私は本当に無力でした。

そして、被害者だった私も加害者になり

被害者と加害者を繰り返しながら成長

しました。


しかし、私は「虐待」について学び、考え

発言できる大人になりました。


暴力も差別もなく、人間同士が

支え合い、助け合いながら生活することで

こころも回復していくものです。


私が子どもの頃に望んでいた大人との対話は、

まずは、疑わず、否定せず、誰かと比較を

せず、そのままの「私の声」を聞いて

欲しかった。


強引に自分の価値観を押し付けるのでは

なく、子どもの話しに耳を傾け、

身勝手に自分の主観でジャッジするのではなく、

丁寧に説明し、言葉を大切にして欲しかった。


職員さんは、常に「忙しい」と口にしていました。

「あなたのお世話をしてやってる」と言いました。


話しを聞いて欲しい…

でも、職員さんは忙しいから…

でも、でも聞いて欲しい。


声をかけたら、やっぱり「忙しい」「後でね」「今度ね」

大人はいつも「忙しい」ものなんだと

理解するようになりました。

現実的に、後でも今度もないんですけどね 笑


「子どもは、遊んでいるだけ、楽でいい」


捨て台詞を言われましたが、

私の施設は、毎日なんかしらの「当番」が

あり、学校が休みの日は、朝から近所の

ゴミ拾い、教会に通う、ボランティア活動、

とても忙しい毎日でした。


遊ぶ暇などないくらいに。

そのストレスが、児童間のいじめ、

性的加害へ発展していたのだと思います。


あなたは保護されて良かったね。

と、よく言われます。


家庭内でずっと暴力を受け放置されてきました。


施設内でも同じです。

酷い親、ちょっとマシな親が何人も

増えます。


そして、きょうだいが何十人に増えるような

ものです。


機能不全家族の、何百人の大家族の

ようなものでした。

常に、誰かがいて1人になる時間、

静かにゆっくり過ごしたり、好きなことをする

プライベートな時間はほぼ持てませんでした。


だから、保護されてよかったねと

言われても、複雑な気持ちになります。


保護され、職員から虐待を受け

亡くなった子どももいます。


児童相談所内で自殺した子どももいます。


夜の街に飛び出す子どもも多いです。

性風俗セーフティネットにする

子どもも多いです。


日本の子どもは、保護されたとしても

社会から守られていない存在であると

いうことなのです。


こころはもうとっくに死んでいるのに、

生きているだけで良かったとは思えません。


自分は、福祉に頼らず何とか出来たから、

あなたも自力で頑張るべき!と言われた

こともあります。


過去に人に頼ることは甘えだと

怒られました。


人生のスタート地点はどこですか?


他者に頼り、生活しなければならない

子どもたちが、誰も頼れないまま18歳

だからと社会に放りだされます。


本来は、子どもの頃に親に頼り、

大人たちに様々な生活でのことを

教えて貰うことが成長の過程です。


私が、大人に教えてもらったことは

暴力でした。何事も暴力で解決できることを

大人が、毎日の生活の中で、子どもに

常に見せているのです。


ヒステリックに叫べばいい。

威圧すれば相手が黙る。

殴れば相手が泣く。

汚い言葉で罵れば、相手が屈する。

イライラし物に当たれば、

周りは気を使ってくれる。


子どもは大人たちの言動をいつも

見ています。


そう、毎日お手本のように見て覚えていくのです。


私たちおとなができることは

なんでしょうか?


毎日の言動を少しづつ変えていくこと。

子どもの前で夫婦喧嘩(面前DV)をしない。

ポルノ雑誌等を子どもの身近に置かない。

年齢に応じた性教育をきちんと教える。


生活の中から少しづつ変えていけることは

沢山あるのです。


自分の経験した「虐待」や「暴力」を

誰かに話すこと、声をあげることは、

様々な方法があります。


そして、声をあげることが

社会を変えていける一歩に

なると考えています。


ひとりの力はとても小さいものですが

暴力で解決しないことを学び、子どもに

言葉や体験を通して社会生活を教えていける

社会が平和な社会に繋がるのではないかと考え

日々活動をしています。


「子どもへの性的虐待」シリーズ⑩を

読んでくださり、ありがとうございます。


次回のシリーズ⑪では、

「子どもの話を聴く」

についてまとめています。


❁✿✾担当:伊藤 楓 

毎週、月曜日と金曜日。月に計8回で更新しています  ✾✿❁︎


※ この本は、シリーズでお伝えしていきます。


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「回復」は目的地ではなく旅路そのものです。


魔法の杖を振って一瞬にして回復させて

くれる魔法使いは存在しません。


同じやり方をすれば誰もが同じ時間に

目的地に到着する旅行とも違うのです。


クラウディア・ブラック

 

―――


様々な本に出逢える幸せと

この記事を読んで下さる皆様へ感謝致します。

 

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