あった厚生省引揚援護庁の医療施設。ここでは、レイプ被害に遭った日本人女性
(引揚者)に堕胎手術や性病の治療を行った。
終戦直後より在満・在朝日本人は塗炭の苦しみを味わうことになった。
追放や財産の略奪に止まらず、強制連行や虐殺などで、
祖国の地を踏むことなく無念のうちに斃れた者も少なくなかった。
心ならずも妊娠したり、性病に罹ったりしたにもかかわらず、
何ら医療的治療が施されずにいた。
そして強姦により妊娠・性病罹患した女性の中には、
これを苦にして自殺する者が少なからず出た。