そのように受け容れれば、それは変容される。 ―
受け容れが 変容 となる。
それを理解するのは難しい。なぜなら私たちはいつも拒絶するからだ。
そうすると何も変容できない。
あなたは貧欲だ。でもそれを拒絶する。
自分のことを貧欲だと考えたがる人はいない。
あなたは性欲が強い。でもそれを拒絶する。
あなたは怒っている、あなたには怒りがある。でもそれを拒絶する。
あなたは外見をとりつくろう。それを正当化しようとする。
けして、自分が怒っているとか「自分は怒りだ」とか感じることがない。
拒否はけして何ものも変容しない。
ただ抑圧するだけだ。そして抑圧されたものは、もっと強力になる。
そしてあなたの根っこに向かう ― 奥深くの意識に向かう。
そこで活動を始める。
無意識の闇の中で、それは強力になっていく。
あなたが今それを受け容れられない理由は、それを意識さえしていないからだ。
受け容れによって、あらゆるものが外に現れる。
抑圧する必要はない。
自分が貧欲であることを知り
自分怒りがあることを知り
自分の性欲が強いことを知る。
それを自然な事実として、何の咎めもなく受け容れる。
抑圧する必要はない。
するとそれはマインドの表層に出てくる。
そして表層に出てくれば、そこからはまったく簡単に捨て去ることができる。
深い中心にあったら捨てることはできない。
マインドの表層にあれば、自分でも気づいていられる。
でも無意識の中にあったら、自分では気づかない。
気づいている病気は治せるが、気づいていない病気は治せない。
すべてを表層へもってくることだ。
自分の人間性を受け容れ、自分の動物性を受け容る。
そこに何があろうとも、とがめることなく受け容れる。それはそこにある。
それに気づくことだ。
貧欲がそこにあろうとも、それを無欲にしようとしてはいけない。それは不可能だ。
それを無欲にしようとしたら、それを抑圧することになる。
そんな無欲は、形を変えた貧欲に他ならない。
だから、他のものに変えようとしてはいけない。
それは不可能だ。貧欲を変えたいからといって、あなたにいったい何ができるだろう。
貧欲なマインドが無欲という理想にひきつけられるのは、
その無欲を通じて もっと大きな貧欲が可能になるときだけだ。
『愛の円環』 OSHO
VIGYAN BHAIRAV TANTRA タントラ秘宝の書 より