アコアのブログ

暴力あるいは暴力の影響を受けた女性たちの回復支援/当事者団体(福岡市) NPO法人アコアのブログ                        自助グループMTG /カタルシス瞑想会 / ARTプロジェクト/Dance WorkShop / 女性のための福祉サービス自立訓練(生活訓練)事業所「アミーガ」(藤崎)

https://npoacoa.wixsite.com/npoacoa

Mail:npoacoa@gmail.com TEL:092-210-3355 (080-5171-3501)

女性のための福祉サービス自立訓練(生活訓練)事業所「アミーガ」(藤崎) https://npoacoa.wixsite.com/amiga

秘密の食習慣ー女たちの抱える暗い秘密

〈秘密の食習慣〉 女たちの抱える暗い秘密
 
傷つき、鬱積した怒りを抱えている者が、それを口に出す代わりに、
プライヴェートな領域で、奇妙な、自分だけの儀式を作り上げ、
そのことによって感情を吐き出すことがある。 
 
いちばん多いのは、摂食障害過食症、拒食症などと呼ばれるものである。
 
 ジェーン・フォンダ過食症は、現代文化特有の現象のように思える。
17世紀からそのような記述があるものの、過食症は、一般的に広がっては
いなかったようだ。
 
今日、過食症は圧倒的に中流家庭の女に多い。
女たちは社会のなかで、ある一定の細さとか美しさを要求されることに、
はかりしれないプレッシャーを感じているものだ。
 
対面を重んじる中流家庭の少女たちは、この理想に近づくことによって、
社会的なステイタスを上げようとする。
 
しかしそれだけでは、大食いをしたりそれを吐き出したりする
秘密の儀式の原因にはなり得ない。
 
過食症が中毒的な行為となるには、何らかの精神的な痛みがあるはずだ。
 
ジェーンフォンダの痛みについては疑問の余地はないだろう。
 
母を失ったこと、その死から遠ざけられていたために悲しみが
癒されていないこと、そして父の裏切りに対する怒りが、
彼女を中毒症の行動に駆り立てたのである。
 
彼女の美しさと、有名女優としての生活から、
過食症になることはもっとも容易な選択だった。
 
 
女たちは男よりもずっと、肥満や食欲減退、気分によって左右される
食べ物やダイエットに関する脅迫観念を抱えやすい。
 
この違いは、社会的に女に期待されている役割から発生していると
断言する人たちもいる。
 
ただ痩せていればいいだけではなく、女たちは家庭において
もっとも重要な調停者であり、栄養補給者であるべきだという
非現実的な役割をも押しつけられているというわけだ。

 
摂食障害は基本的に、私たちの文化が女に押しつけている
役割を嫌うところからくる気分転換のメカニズムである。
 
女たちは、この事実に対しての不安や怒りから逃げ出すために
食べ物を使うのだ。
 
 
摂食障害はすべて、中毒症である。
 
つまり、気分転換のための行為であり、
人生をだめにするという点で
アルコール依存症や薬物依存症となんら変わらない。
 
すべては秘密裏に行われる。
 
感覚を麻痺させて、大食いすると、
一時的に悲しみや空虚感から逃れることができる。
 
一方、拒食症は、飢えを、気分転換や体を麻痺させるために使う。
 
私の見た限りでは、拒食症の抱えている隠された感情もまた怒りだと思う。
 
・・・ジュリエットの虚飾は、家族に対するふたつの秘められた発見そのものなのである。彼女の痩せ衰えた身体は「ほら、わたしは死にそうよ」と言っているのだ。
彼女のオールAの成績表、特に体育の素晴らしい得点は
「何が起こっているのか、私はだれよりもよく知っている。
わたしをほっておいて、そしてプライヴァシーをちょうだい。
そうすれば私はちゃんと自分をコントロールできるから。」
ということを言っているのだ。
 
 彼女の病気の原因は次のようにまとめられる。
 
・母親から受け取った激しい怒り。
・女の役割に対しての軽蔑。
・ほんとうに満たされた関係を必要としていること。
・適合することの拒否。
・父親の支配力への抵抗。
・家族間に親密さが欠如しているという痛みから目をそらそうとする試み。
・孤独、恐れ、怒りなどの気分を転換する必要性。
 
 
 
 
「ファミリーシークレット」傷ついた魂のための家族学 
ジョン・ブラッド・ショー著 香咲弥須子訳

イメージ 1


https://npoacoa.wixsite.com/npoacoa