【アダルトチャイルドの治療法 西尾和美】
1 依存症、共依存症、アダルトチャイルド、トラウマについての知識を
与える教育をする
2 本人の育った家庭で、どんなパターンを習って育ったか、また生存す
るのに必要な、どんな「防衛機制」を作り上げたかを分析する
3 依存症のある家庭は代々依存症になっているメンバーが多かったり、
また依存症になっている人と結婚して、共依存症になってしまうなど、
機能不全なパターンが代々伝わっている例が多いので、ジェノグラム
(家計図)を作って調べる。
4 間違って理解し、固まってしまった考えにチャレンジする。
(「私はみんなから嫌われている」→「私はある人たち何人かに、嫌われ
ている」「人類全員から好かれることは有り得ない」)
*一般化・削除・歪曲
5 催眠療法や、イメージを心の中で描く手法で過去の思い出をたどり、
心の傷にふれ、それを癒す。
6 インナーチャイルドを育てる作業をする。過去のトラウマのため発育が
止まってしまった自分の中の子どもを、イメージや絵画、ぬいぐるみ、
コスチュームなどを使って育て直す。
7 サンドトレイ(箱庭療法)や、夢の分析で、無意識なものを意識上に持
ち上げ、自己について学ぶ
8 個人面接のほかに、家族面接も組み入れる。特に依存症になってる妻や
夫とのカップル・カウンセリングや、子どもも入れた家族なども取りいれて、
本人だけでなくどれほど周りの人たちが影響を受けているかを認識させる
とともに、コミュニケーションの技術を教える
9 本人ができるような宿題を与える(例:「今週はアルコール依存症の夫に、
お酒のことは何も言わないで黙って観察してごらんなさい。」
10 アダルトチャイルドからの回復に関する本や、テープを貸し、毎日繰り返し
聞くように指示する。
古い機能不全なメッセージに対処するには、新しい思考、感情、行動を教える
メッセージを大量に与えなければ、真の選択はできない。
11 メディテーションの方法を教え、心や身体から出るメッセージに注目できる
ように指導し、頭にどんな考えが浮かんでくるのか認知できるようにする。
12 毎日ジャーナル(日記)をつけてもらい、否認、否定しているものごとに
直面し、事実を事実として受け入れるようにし、自分の思考、感情、行動の
パターンを学ぶようにする。
13 アダルトチャイルドの人のための人生のマニュアルのような、毎日一ページ
ずつ読む、小型のアファメーション(心理調整/暗示文)の本を取得させ、
毎日持ち歩き、読み、一日一歩ずつ回復に向かうよう指示する。
14 一人で孤立しないよう、できるだけいろんな10(または12)ステップの
自助グループ、またはサポートグループに出席するように指示し、関連した
ワークショップなどにも参加するようにうながす。
15 アダルトチャイルドは、スピリチュアリティー(自己を超越した崇高な信心)が
欠け、視野が狭いので、自分と特定の他人の問題にだけとらわれないよう、
地域社会、果ては人類全体まで想いを広げるスピリチュアルな活動をすすめる。
この場合、狂信的ではない各種の宗教、教会やグループ参加、または自分達仲間で
スピリチュアルサークルを作ることをすすめる。