ご報告が遅くなりました。
「さよなら虐待~Power to the children」2019
ご参加くださった皆様、有難うございました。
主催の「ふくおかac」杉山さんの御尽力のおかげで定員50名を超え満席。
私たちアコアは共催として当日の会場管理など担当しました。
当日もNHKが取材に。
今一生さんの虐待防止策。
【今さんの提案】
・虐待・子どもの人権・親権について、学校で児童・親・保護者が学べる機会を作る
・成人した被虐待経験者は、役所で自立支援金をもらえて家出できるようにする
・虐待による治療費は、診断書を役所に出すだけで全額返還され、親の負担に。
・親に虐待されて育った人は、時効なしに親を相手取った損害賠償請求ができる
・10歳以上に起業を学べる機会を提供し、自主避難の資金を作れるようにする
・自分を虐待した親の介護・看護・扶養の義務を、無条件に破棄できるようにする
・父母による親権の独占をやめ、子どもが親権者を選択・排除・追加できるように
今さんがまとめてくれたtoggeter.はこちら
https://togetter.com/li/1437779
パネリストは、DVイベントでもお世話になった後藤とみかず弁護士。
(以下後藤弁護士のFBより転載)
学校は、社会が思う理想的な家庭像に基づいて作られている。
その空気の中、子どもは自分の家は違うと言えない雰囲気に包まれている。その典型は親への感謝を強いる「二分の一成人式」。
学校は、親や教師に従順な子どもを作るシステムになっている。「素直な子」が自分の気持ちに素直な子ではなく、親や教師に口答えをしない子にすり替わっている。異論を排除。シャンシャンを好む。
学校は、教師に平気で文句を言う生意気な子を育てる場になって欲しい。教師や地域の方にはそれくらい大きな心を持って欲しい。
「人に迷惑をかけない」×
「人に迷惑をかけても良い」と徹底して子どもに教えるべき。
学校が虐待を容認する場にすらなっている。教師による不合理な指導。部活動による長時間の説教。長時間立たせて罵倒するなど。
私たちにできるのは、あらゆる暴力を許さないという毅然とした態度を貫くこと。たとえ親であっても、教師であっても、躾名目であっても、肉体的暴力じゃなくっても、あらゆる暴力を許さない。
暴力を成功体験として語らないことも重要。
後藤さんの「想像力」についての言葉がとても印象的だった、とスタッフの一人が言ってしました。いつも明快で納得できる発言をありがとうございます。
今回主催の「ふくおかac」杉山佐和子さん。
親への手紙の朗読と司会進行もしてくれました。
過酷で壮絶な虐待体験を生き抜き、今もトラウマの影響による様々なお辛い身体症状を抱えながら今回のイベントを実現しました。まじめな彼女の努力には本当に頭が下がります。
杉山さんの「ふくおかac」ブログの終了報告に、今回ご寄付くださった支援者・団体様のご紹介もあります。
また、今回は福岡県議会議員が4名、市議会議員4名が参加くださいました。
皆様お忙しい中、足を運んでくださったことに感謝いたします。
山内康一議員からもメッセージを頂きました。
当事者の体験、痛み・苦しさ・悲しみや怒り、孤独感など、彼ら彼女らの生の声を直接聞かせてもらうときには、私たちひとりひとりの内面に潜んでいる何かにも刺激が入り反応が起こります。
子育て中の女性議員のなかには、当事者の方のお話に心を揺さぶられ、ひとりの母親としてのご自身の子育てを見直す機会になったとおっしゃる方もいました。
親のケアも必要だという意見ももちろん出ました。
しかし『よくある母親擁護の風潮が、’まず子どもを守る’ことを後回しにさせ、現在の酷い状況を終わらせることを妨げている』という当事者側の意見もあります。
今一生さんも言いかけていましたが(途中で途切れましたが)、「それは「殴られる女を守るために殴る男のケアを優先にする」のと同じ」で、まずは殴られている女を守ることが大事でしょ?ということです。端的に言えば「親のケアよりまずは子供を!」という訴えです。
ディスカッションの時に「親のケアも・・」と仰った女性議員の発言に対し、当事者(杉山さん)が強く意見する場面もありました。
(NHKでそのシーンが放送されたようですが、後日、杉山さんとその議員は直接お話しをしていて、お互いの想いを伝え合えたと報告頂いています。)
アコアのなかでは「子供のケアも親のケアもどちらも大切」という意見が多いです。
まずは、どんなことでも「ひとりの人間として感じること」から理解は深まるのだろうから、このイベントでの発言のみで決めつけてはいけないな、ということと、
初めて当事者の突き刺さるようなメッセージを聴いた方に響いたものがあったなら、その新たな可能性としての扉が閉じられてしまうことの無いように、受け止め合えたら良いなと思います。共通の目的達成のために。
(このあたりのことについてはアコアの仲間の意見も併せて別の記事に書きます。)
福岡県外から参加して下さったサバイバー当事者の方も多かったです。
過酷な体験を生き延び、親への手紙を書いて朗読してくれた秋さん、杉山さん、あの場で体験を話してくれた当事者の皆さんの勇気と強さに感謝いたします。
耳を傾けてくれた参加者の皆さまも有難うございました。
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性暴力サバイバーの男性参加者から、彼が抱える困難な状況と重要なご意見を伺いましたが解決に役立つ提案は出せず、懇親会でもその方の孤独に寄り添いきれない(守れなかった)場面がありました。ごめんなさい。
それでも、見送る際に胸の内を話してくれたことは嬉しかったです。ありがとう。)
「サバイバー」と言っても、体験した内容や、出来事の背景、現在どのようなサポートに繋がれているか・いないか、抱えている状況や現在の心身の状態等は、ひとりひとり違います。
怒りが溢れて攻撃的になる人もいれば、怒りが怖くてパニックになる人もいます。
サバイバーだからといって、ひとくくりにできるものではなく、一つの解決方法がみんなに当てはまるわけでもありません。
それでも共通のところに目を向けることもできます。
特に孤独感や、理解してもらえない痛みや苦しみなど、(トラウマが私たちを過去に引き戻す力は強力ですから)当事者だからこそ分かり合えるものもあります。
当事者同士が繋がることの大切さ。
虐待や暴力と無縁だと思っている人たちが、今回のように当事者の生の声を沢山聴くことの重要性。
これからどんどん広まると良いです。
私は、今回改めて「暴力について」と「被害者と加害者」ついて見つめ直しています。
更年期の症状とフラッシュバックの症状が酷似していて、自分に何が起きているのか見分けるのに時間が必要でした。
最後にホッとする素敵な写真を♡
スタッフ仲間のameさんが作ってくれた記念のステッカーです。いつもいつも仲間たちに優しい思いやりを有難う。
携帯や手帳に貼ったりして「しんどい時にもこれを見ると安心する」「お守りみたい」という声も届いています。仲間がいると思える・繋がってる感じがする。
いつもありがとう。見るたびに胸が温かく緩んで優しい涙がこぼれそうになる。love。
以上、長文になりましたが今年の虐待イベントのご報告でした。
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その後
当日の取材は12/7に放送されました。
最後に、ディレクターの方が「親と子には力の差があること」をきちんと彼女の言葉で説明してくださっていて有難かったです。