アコアのブログ

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【行動化・内政化】~傷ついたインナーチャイルドがあなたの人生を汚染する仕組み

「傷ついたインナーチャイルドがあなたの人生を汚染する仕組み」

汚染(contaminate)という単語を用いて、傷ついたインナーチャイルドが私たちの生活を汚染する様をいくつか述べたいと思います。 



C・O・N・T・A・M・I・N・A・T・E


それぞれの文字は傷ついたインナーチャイルドが、おとなの生活を妨害する主要な方法を表したものの頭文字です。 

共依存 Co-Dependence 
https://blogs.yahoo.co.jp/aiwoerabou/70065062.html

◼犯罪行動 Offender Behaviors 
https://blogs.yahoo.co.jp/aiwoerabou/70065063.html

◼自己愛的障害 Narcissistic Disorders 
https://blogs.yahoo.co.jp/aiwoerabou/70065064.html

◼信頼関係 Trust Issues 


 
■行動化・内政化 Acting Out / Acting In Behaviors
 
 私たちの傷ついたインナーチャイルドが、子ども時代の満たされていない欲求や、解消されていないトラウマをどう行動に表すのかを知るためには、人間の基本的な欲動(人間を行動に向かわせる無意識の衝動)の源は、情動であることを理解しなくてはなりません。

情動は私たち自身を守り、基本的な欲求を満たすために、私たちを動かす燃料です。

私はあえて、この情動(emotion)をE-motion すなわち、行動(motion)するためのE(エネルギー)と表現します。
このエネルギーは基本的なものです。
 
 たとえば怒りは、私たち自身を守るために私たちを動かします。私たちは怒っている時には、態度をはっきりとさせて表現します。怒りを用いて防衛し、自分の権利のために闘うのです。
 
 
恐れは、私たちが危険に直面した時に逃げるという行動をとらせます。恐れは私たちに識別力を与えてくれます。危険が身近にあり、闘う相手としては大き過ぎることを知らせることで自分たちを守ります。つまり、恐れは私たちを逃し、非難させるのです。
 
 悲しみは、私たちに涙を流させます。私たちの涙は悲しみを浄化し、苦悩を解決する助けとなります。悲しみは喪失にともなう悲哀を体感させ、エネルギーを使用させ、後まで残させません。深く悲しむことができないと、私たちは過去を完結させることはできません。苦悩やトラウマに関連するすべての情動が凍結してしまうのです。
 
解消できず表出もできなかったこのエネルギーは、それ自体いつまでも解決を試み続けます。
 
悲哀を健康的に表現できないので、それは異常行動で表されます。これが「行動化」です。

クライエントのマギーは、行動化の良い例です。
 
マギーは短期で暴力的なアルコール依存症の父親が母親を罵倒し、暴力をふるうのを見ました。このシーンは彼女の子ども時代ずっと、絶え間なく繰り返されてきました。4歳の時からマギーは母親の慰め役で、母親は夫にぶたれた後、マギーのベッドに入ってきました。ふるえてうめきながらマギーに抱きついてきたのです。父親が母親の後を追ってきて怒鳴り散らしたこともありました。マギーにはそれがとても恐ろしかったのです。家族の誰かに対するどんな暴力でも、ほかの家族員をおびえさせます。暴力の目撃者は暴力の犠牲者なのです。
 
マギーが、子ども時代に必要としていたのは、恐怖を表現することと、悲しみを吐き出すことでした。しかし彼女には、表出できずにいた悲しみを解消するのに必要な養育者は、一人もいなかったのです。彼女はおとなになっても、自分を養育してくれる親の役割をする人物を絶えず求めていたのです。私のところにきた時には、すでに二回の暴力的な結婚と、多くの虐待される関係を経験していました。そして彼女の仕事は、虐待された女性を専門に扱うカウンセラーだったのです!
 
 
マギーは子ども時代のトラウマを行動化していました。彼女は虐待された女性を世話し、残忍な男性と関係を持ちました。彼女は人々の世話をしましたが、彼女を世話してくれる人は誰もいませんでした。過去の未解決な情動エネルギーは、「行動化」というたった一つの方法で表現されていたのです。
 
行動化や再現は、傷ついたインナーチャイルドが私たちの人生を妨害する、最も破壊的な方法の一つです。マギーの場合は過去の反復脅迫の劇的な例でしょう。「今度こそうまくやれるわ」とマギーの傷ついたインナーチャイルドは言います。「私が完璧で、パパのして欲しいことを全部してあげれば、パパは私に関心を示し、愛と愛情を示してくれるはずよ」。これは子どもの魔術的な思い込みであり、おとなの合理的な考え方ではありません。私たちがそれを理解できれば、こうした行動は理解できます。行動化のほかの例を以下に述べましょう。
 
※ 自分が受けた暴力を他人に対して再現する。
※ 自分はけっして言ったこともしたこともないと公言したことを、自分の子どもの前で言ったり、したりする。
※ 自発的に年齢退行する(かんしゃくをおこす、ふくれっ面をするなど)。
※ 理屈に合わない反抗をする。
※ 理想化した育児ルールに従う。
 

〈内政化〉
 過去に受けた虐待を自分自身に向けることを「内政化」といいます。
私たちは、子どものころに罰せられたのと同じやり方で自分を罰します。
私の知人に、間違いを犯すと必ず自分を虐待する男がいました。彼は自分自身を「このまぬけめ!なんてそうおまえはバカなんだ?」と批判し、ひどくののしるのです。私は何回か彼が自分の顔を握りこぶしで殴っているのを見ました(彼が子どものころ、彼の母親はこぶしで彼の顔を殴っていたのです)。
 
 過去の未解決の情動も、しばしば自分に対して向けられます。
たとえばジョーは、子どものころ怒りを表現することを許されませんでした。彼は母親に強い怒りを感じていました。彼が一人で行動することをけっして許さなかったからです。
何かしようとすると、母親が割り込んできて、次のように言いました。「小さなのろまさん、ママが助けてあげましょう」「あなたはうまくやっているけどママが手伝ってあげましょうね」。

ジョーはおとなになった今も母親そうさせることを、自分でできることでも彼女にさせます。
彼は完全に従順であるように、そして怒りを表現することは罪深いことだと教えられてきたのです。
ジョーは怒りを自分自身に対して、内攻させるようになりました。
その結果、人生目標を達成することに対して憂うつ、無関心、しらけ、無気力になっていったのです。
 
 内攻化された情動エネルギーは、深刻な肉体的問題を引きおこします。

その症状には、胃腸障害、頭痛、腰痛、首の痛み、肩こり(筋力の異常な緊張)、関節炎、ぜんそく、心臓マヒ、そしてガンなどがあります。

また、事故に遭いやすいのも内攻化の一つの形です。自分を事故に巻き込ませることで自分を罰しているのです。
 
 

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