「傷ついたインナーチャイルドがあなたの人生を汚染する仕組み」
汚染(contaminate)という単語を用いて、傷ついたインナーチャイルドが私たちの生活を汚染する様をいくつか述べたいと思います。
C・O・N・T・A・M・I・N・A・T・E
それぞれの文字は傷ついたインナーチャイルドが、おとなの生活を妨害する主要な方法を表したものの頭文字です。
◼共依存 Co-Dependence
◼犯罪行動 Offender Behaviors
◼自己愛的障害 Narcissistic Disorders
◼信頼関係 Trust Issues
養育者が信頼できないと、子どもたちは疑い深くなります。世の中は危険で、敵がいっぱいいて、予測がつかないところだと感じるのです。常に自分をガードし、周囲をコントロールしなくてはならなくなります。そして、「もし私がすべてをコントロールするなら、誰も私を邪魔することはできないし、傷つけることもできない」と思い込むようになります。コントロール狂、すなわちコントロールすることが中毒のような症状になるのです。
私のあるクライエントは、きちんと管理しきれなくなることが怖くて、一週間に100時間も働いていました。
彼はほかの人の仕事を信用しなかったので、どんなささいなことも人に任せることができなかったのです。彼は潰瘍性大腸炎が悪化して入院するころになって、やっと私のところにやってきました。
もう一人のクライエントは、夫が離婚申し出たことに気を取り乱していました。夫が離婚を決心した最後の引き金となったのは、夫が彼女のためにつけてあげた車内電話の機種を、彼女が取り替えてしまったことでした。夫は、妻のために何をしてあげても、彼女はけっして満足しないと言いました。
彼女はいつも夫がしたことを変えずにはいられませんでした。
つまり、すべての結果を自分がコントロールしなければ満足できなかったのです。
コントロール狂は、人間関係に問題を起こします。あなたを疑う相手と親密になる術はありません。親密になるにはお互いが、相手をありのまま受け入れることが必要なのです。
信頼の障害を持つ人は、また他人を信用するということにおいて極端になります。
一方の極では、すべてのコントロールを放棄してだまされたり、愚直に他人を信用し、他人にしがみつき、過度にエネルギーを使って自尊心を失っていきます。もう一方の極では自閉的、孤独に引きこもり、誰もはいれないように防御の壁をつくります。
依存症の専門家であるパトリック・カーネスは次のように指摘しています。
人を信用することを学ばなかった人は、激しい感情と親密さ、強迫観念と慈愛、コントロールすることと守ることの区別ができないと。
人生最初の発達課題は、
基本的信頼感の確立です。
私たちは他人(母親、父親、その他の人々)が安全で信頼できる人だと学ばなくてはなりません。この基本的信頼感は深い統合的な感情です。
もし、私たちが世の中を信頼することができるのなら、自分自身を信頼することも学習できます。自分を信頼するということは、自分のパワー、知覚・判断・感情・欲望を信頼できるということです。
子どもたちは信頼できる養育者から信頼することを学びます。
もし母親や父親が首尾一貫していて、しかも自分自身を信頼しているなら、その子どもは親を信用し、自分を信頼することを学ぶはずです。