自分の育った家庭で、親がアルコール依存症であったり、ドラッグ、家庭内暴力、性的・身体的・精神的な虐待などがあった機能不全な家庭で育った人たちは、なんらかの形で受けた心の傷(トラウマ)が後遺症として残り、健全な生活に支障をきたす「アダルト・チルドレン」となる可能性があります。
*機能不全な家庭 ― 例えば、よく怒りが爆発する家庭、冷たい愛のない家庭、他人や兄弟姉妹と常に比べられる家庭、何をしてもあれこれ非難される家庭、期待が大きすぎて何をやっても期待に添えない家庭、お金、仕事、名前のある学校だけが重視される家庭、他人の目を気にする表面だけ良い家庭、親が病気がちだったり留守がちの家庭、親と子の関係が逆になっているような家庭、両親の仲が悪かったりけんかや暴力の多い家庭、嫁と姑の葛藤がひどい家庭 など ―
症状としては、摂食障害、うつ病、不安症、境界性人格障害、アルコール・ドラッグ依存症、共依存症、パニック障害、心因性の頭痛、腹痛、その他の情緒不安定、不健全な人間関係などとしてあらわれることが多く、特に自己の確立ができず、低い自己評価に悩まされる場合が往々にしてあります。
こういう機能不全な家庭で育った人たちは、機能的な人間関係を見ないで育ったので、健全なコミュニケーションや、健全な行動がどのようなものなのか、はっきりわかりません。
適当な愛や、あまり大きすぎることもなく、また小さすぎることもないフラストレーション、尊敬、コミュニケーションの技術のない家庭で育てば、自己の確立に障害が出ても不思議ではありません。
このように小さい時から長い間かかって出来上がった習慣は、大人になっても抜けきらず、自己の不安感、自己価値の低さから共依存的な行動や人間関係に陥りやすいことがままあります。
それらの理由から生き辛さや苦しさに繋がるのです。
自分の傾向に理解を持ち上手に付き合っていくことで、回復(生きすくなること)は十分に可能です。