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「わたしが人間であるために」シリーズ22 アコアOnline Book Salon

※『アコアOnlineBookSalon』は「コロナウィルス感染症:いのちとこころを守るSOS基金」に寄せられた市民の方のご寄付によるご支援を頂き2021年12月末まで行う事業です。

 

Twitter ⇒ @acoaBookSalon


こんにちは、くまたんです。


今回もジュディス・ヒューマンさんの

「わたしが人間であるために」を

ご紹介させて頂きます。


よろしくお願いします。


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「 わたしが人間であるために 」〜シリーズ22


第二部 一九七七年 バークレー・カリフォルニア


第八章 ホワイトハウス その2


◯前回のあらすじ


五〇四条項の起草に関わったふたりの上院議員、アラン・クランストンとハリソン・ウィリアムズのふたりと会い、HEWの提案するいかなる修正案も受け入れない旨の声明を公表してもらう約束をとりつけることに成功した著者たちは、続いてホワイトハウスでの面談を勝ち取るために皆で頑張った。


その結果、カーター大統領の国内政策主幹のスチュアート・E・アイゼンスタットと翌日面会できる約束を取り付けることに成功する。


理解を得るためには三十四人の代表団が心を一つにして話す必要があるため、その日の夜は戦略を練ることに費やすのであった。

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教会はあまり睡眠に適した環境ではなかったが、全員が互いに助け合って、必要なことは何でもやった。


数時間後、著者たちは起床し、朝食をとり、数人が代表としてホワイトハウスに向かった。


著者たちは受付で止められ、「ホワイトハウスで立てこもりはしません」とひとりずつ誓うまで中に入れてもらえなかった。


著者は笑いを必死でこらえたが、つい、にやけてしまったそうです。


アイゼンスタットは髪をきちんと櫛でとかし、べっ甲の眼鏡をかけた比較的まだ若い男性であった。


まず、DCのデモ隊を苦しめた政権によるひどい扱いについて述べ、続けて施行規則に関するこれまでの経緯と、骨抜きにされようとしている現状を伝えた。


他のメンバーもそれに続いた。


アイゼンスタットは、カリフォノが施行規則への署名を拒んでいることについては、いかなる責任も負わないと名言した。


もう一度、著者たちは説得を試みた。

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「私たちは労働組合や他のマイノリティグループからの支援も受けています。障害者団体は強力ですが、それでもやりたい放題されていると感じています。他分野の施行規則では、私たちが経験したような試練はほとんどありませんでした。障害のない人たちが、一番よくわかっているのは自分たちなのだ、と私たちに言っているのです」


〜中略〜


ようやく、わかりづらく間接的な言い方ではあったが、アイゼンスタットは政権が動くときだという考えを明らかにした。


p206より

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会議が終わり、教会に戻ると、著者たちはしばらくの間それぞれの時間を過ごした。


しかし、著者は連邦ビルでのデモにほころびが出始めているという報告を耳にしていたので心配して電話をかけていた。


サンフランシスコに残っているシーシーとレイに連絡をしたが出なかった。


一抹の不安がよぎる。


だが、それから少しして電話をかけるとシーシーが出て、「みんな士気高く頑張っているから大丈夫」と言ってくれ、著者は心底ほっとした。


その後、デモ隊のみんなが著者たちの状況を知りたがっていると聞き、この日に起こったことをすべて伝え、電話を切った。


改めて代表団メンバーで話し合いをしてみると大半がサンフランシスコに戻りたがっていることがわかった。


クランストン議員、ウィリアムズ議員、アイゼンスタットとの面談の様子から皆、施行規則が署名されるのは時間の問題だと彼らは感じ始めていた。


中には逮捕されるか、勝利宣言をして、抗議活動を終わらせようと提案するメンバーもいた。


キティと著者、他数名が、この意見に激しく反対した。


施行規則はまだ署名されていない。

わたしは署名されるまであきらめたくなかった。


「あともう少し」では目標達成にならない。


議論が続く中、「東海岸」と「西海岸」の運動家たちの間に溝が開いていった。


東海岸のメンバーたちは著者たち西海岸メンバーは強硬すぎる、妥協する姿勢が足りないと感じていた。


この言葉に著者のスイッチが入ってしまった。

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「私たちは、これまでの人生、ずっと妥協してきたじゃない」


悔し涙があふれてきた。

腹立たしげに、その涙を振り払った。


「もう十分でしょ」


p207より

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西海岸の幹部チームは、ほぼ全員が女性であった。


もし自分たちが男性でも、強硬すぎる、妥協を知らない、と言われるのだろうか。


強く出すぎると「攻撃的だ」と言われ

受け身すぎると「成果を出せない」と言われた。


著者は悔しかったが、口には出さなかった。これ以上争いの種をつくりたくなかったのだ。


私たちは一丸となって運動し続ける必要があったから、仲間内で争っていたら、絶対にうまくいかないとわかっていた。


「あと少しというところまできたのに、どうして今やめてしまうの?」と著者は問いかけた。


でも、みんな疲れ果てていたのだ。

家に帰りたがっていた。


ここで、著者はサンフランシスコのデモ隊のみんなに決をとってもらうことにした。


デモ隊の結論は、これまでの路線を貫くという答えだった。


著者はカリフォノやカーター大統領に対して苛立ちを募らせ眠れない夜を過ごした。


カーター大統領は選挙中に「公約」として著者たちに約束をしていたのだ。


そして著者たちもそれを信じて当選できるように支援もした。


それなのに、カーターは著者たちの人権よりも、金と都合を選んだのだ。


人間としての私たちの存在をさしおいて。


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あらゆることが揺らぎ始めていた。

わたしはそれを感じとっていた。


みんな疲れ果て、やる気を失いつつあった。


すべてが崩れ去ってしまうまで、あとどれくらい時間が残されているんだろう?


p209より

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「カリフォノに会いに行こう」


著者はメンバーに向けて言った。


著者たちのうち十人がトラックにのりこみ、HEWに向かった。


ビルの正面は警棒を持った六人の屈強な警備員が立ちはだかっていた。


入ろうとすると警備員のひとりに止められた。


「この建物に入ることはできません」


著者はその返答を聞いて穏やかに言った。


「カリフォノ長官との面会にきました。」


警備員は困るだろうなと確信していた。一般の市民が建物に入ることを止める理由など、どこにもないからだ。


「申し訳ありません、お入りになることはできません」


著者は苛立って言った。


「私たちはカリフォノ長官と面会する権利があります。あなたの上司とお話をさせてもらえますか?」


警備員は同じ口調で繰り返した。


「それもお受けすることはできません」


警備員たちは、私たちの入館を拒絶しているのだ。

全員に対してではなく、「私たち」に対してだ。


建物に入ろうとする車いすユーザーには注意するよう特別に指示を受けているに違いなかった。


著者は顔をひっぱたかれたような気分になり、歯をかみしめた。


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これまでにいったい何度、わたしは足止めされてきたのか?「入れません」と言われて。「ダメです、あなたはダメなんです」と言われて。


バス、飛行機、学校、レストラン、劇場、オフィス、友だちの家。いろいろな場面が蘇った。


「入れてもらえない」は、いい加減うんざりだ。


p211より

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著者はくるりと向きを変え、後ろにさがっていった。


次の瞬間、ビルに向かって車いすを突進させた。


警備員たちは横に飛びのき、著者がドアに突進するのを、信じられない様子で固まって見ていた。


その後、他の車いすメンバーも著者に続いた。


何度も何度も、著者たちは突進を繰り返した。


ガシャン、ガシャン、ガシャン。


武装した警備員たちが一斉にやってきて、車いすを力ずくで取り押さえ始めた。



次回、第八章 ホワイトハウス その3


HEWのビルで、入ることを拒否された著者たちはすぐに来た取材に対して真実を伝えた。


しかし、カリフォノはそれに対してもその批判は不正確だと反論してきた。


四月二十二日金曜日、抗議活動を始めて十八日目。


次の火曜日に、改めてホワイトハウスの前でデモ行進をすることを決めた著者たちはこの後、どうなってしまうのか。



次回もよろしくお願いします。


私は毎週、日曜と水曜を担当させて頂いております。


もし、今回の記事に対して何か感じる事がありましたら、ぜひ、皆さんの声もお聞かせ頂けたら幸いです。


最後までお読み頂きありがとうございました。



担当:くまたん


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過去記事のリンク


ぜひ、こちらも読んでみてください♪



シリーズ① 「チベットの生きる魔法」

"師からの助言"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/20/120000



シリーズ② 「チベットの生きる魔法」

"物事は悪くとってはいけないよ"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/23/120000



シリーズ③「チベットの生きる魔法」

"変化しないものなどない"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/27/120000



シリーズ④「チベットの生きる魔法」

"無我について"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/30/120000



シリーズ⑤「チベットの生きる魔法」

"苦、不満足について"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/04/120000



シリーズ⑥「チベットの生きる魔法」

"ただここにあることをまなぶ"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/07/120000



シリーズ⑦「チベットの生きる魔法」

"戦士のスローガン"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/11/120000



シリーズ⑧「チベットの生きる魔法」

"四つのかぎりない特性"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/14/120000



シリーズ⑨「チベットの生きる魔法」

"愛あふれる優しさ"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/18/120000



シリーズ⑩「チベットの生きる魔法」

"愛あふれる優しさ②"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/21/120000



シリーズ11「チベットの生きる魔法」

"思いやり"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/25/120000



シリーズ12「チベットの生きる魔法」

"トンレン"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/28/120000



シリーズ13「チベットの生きる魔法」

"心に響いた言葉"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/01/120000



シリーズ14「チベットの生きる魔法」完結

"偏見のない心で"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/04/120000


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シリーズ① 「死について41の答え」

"疑いを尊重する"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/08/120000



シリーズ② 「死について41の答え」

"疑いを信頼する"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/11/120000



シリーズ③ 「死について41の答え」

"信者ではなく探求者に"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/15/120000



シリーズ④ 「死について41の答え」

"人のことを考えるな"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/18/120000



シリーズ⑤ 「死について41の答え」

"この世から自由になる"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/22/120000



シリーズ⑥ 「死について41の答え」

"この世から自由になる②"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/25/120000



シリーズ⑦ 「死について41の答え」

"未知なるたび"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/01/120000



シリーズ⑧ 「死について41の答え」

"死は最後のタブー"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/05/120000



シリーズ⑨ 「死について41の答え」

"自分を犠牲にしない"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/08/120000


シリーズ⑩ 「死について41の答え」完結

"全世界を忘れる事だ!"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/12/120000


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シリーズ① 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/15/120000


シリーズ② 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/19/120000


シリーズ③ 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/22/120000


シリーズ④ 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/26/120000


シリーズ⑤ 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/10/03/120000


シリーズ⑥ 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/10/06/120000


シリーズ⑦ 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/10/10/120000


シリーズ⑧ 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/10/13/120000


シリーズ⑨ 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/10/17/120000


シリーズ⑩ 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/10/20/120000


シリーズ11 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/10/24/120000


シリーズ12 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/10/27/120000


シリーズ13 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/11/03/120000


シリーズ14 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/11/07/120000


シリーズ15 「わたしが人間であるために」

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シリーズ16 「わたしが人間であるために」

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シリーズ17 「わたしが人間であるために」

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シリーズ18 「わたしが人間であるために」

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