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わたしが人間であるために」シリーズ13 アコアOnline Book Salon


こんにちは、くまたんです。



今回もジュディス・ヒューマンさんの

「わたしが人間であるために」を

ご紹介させて頂きます。


よろしくお願いします。


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「 わたしが人間であるために 」〜シリーズ13


第四章 飛び立つ恐怖


◯前回のあらすじ


ニューヨークからカリフォルニアのバークレーに引っ越して1年も経たない頃、ハリソン・ウィリアムズ上院議員のスタッフのリサから「法務アシスタントのお手伝いをして頂けませんか」と連絡をもらった著者はすぐに応募し、即採用となる。


ある日、休暇で実家に帰省した著者は家族との別れに憂鬱な気持ちの中、ニューヨークに帰ろうとした時、飛行機で付き添いの人がいないと搭乗できないと拒否され、一度は許されるも、再度拒否される。最終的に降ろされ逮捕されかけるがウィリアムズ上院議員の名を出すと途端に釈放となる。


その後、しっかりと航空会社を提訴し、

著者は裁判に勝利するのであった。


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ワシントンD.Cに来て一年半が過ぎようとしていたある日、再びエドから電話がかかってきた。


「ジュディ、ジェリー・ブラウン知事が僕にカリフォルニア州リハビリテーション局長にならないかと言ってきた。バークレーに戻って、CIL(自立生活センター)の副所長になってもらえないか?」という内容だった。


こうして、著者はバークレーに戻ることになる。


この時、二七歳であった。


CILで新しいポジションに就くと、DCでの経験が運動をする上で大いに役立つことがわかり、著者は新たな情報、ネットワーク、戦略上のアイデアがあり、バークレーに戻って正解だったと感じたそうです。


自分の人生の分岐点をかえりみてみると必ずその時に重要なコースを変える、もしくはより成長したり経験をするために必要な何かに導いてくれる縁があったなと思い返していました。


著者にとってのエドという縁は、自ら考え、自分の言葉を持ち、行動していた著者が引き寄せた人生において重要な縁の一つだったのだと思いました。


話を戻しますが


著者たちはずっと五〇四条項の動向を変わらずに追っていた。


五〇四条項とは何かを改めて確認していきたいと思います。


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アメリカ合衆国において、第七条(6)で定められた障害のあるいかなる個人も、単に障害のみを理由として、連邦政府からの財政援助を受けている施策や事業に参加することから排除され、恩恵を享受することを拒否され、差別されてはならない。


p105より

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著者たちがDCで共同創設した組織「障害のあるアメリカ人連合」が支援を結集してコメントを提出、記者たちはこれを「障害者たちのロビーイング」と呼んだそうです。


施行規則の確定のためには、フォード政権下のHEW長官のデイビット・マシューの署名を残すのみであったが、長官は遅らせていた。


問題は、この五〇四条項はこっそりと法案に紛れ込ませていたが、影響を受ける大学や病院、その他のどの機関も表に出てくるまで関心を払っていたなかったため、施行規則を読んで、その意味するところを理解した時に、不快感をしめしたことも原因であった。


・組織は総じて変化を好まない。

それは、変化は時間とコストを要するため。


とりわけ、建物、事業、教室などを障害者のために変更調整するためのお金がかかりすぎる。つまりは不公平な財政負担であると認識された。


大体にして、いったい何名の障害者が実際に大学に行くのか?


事業であれば、何名が参加できるのか?と五〇四条項の影響を受ける機関から反論をされたそうです。


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これこそが、私たちのジレンマだった。


私たちの国があまりにもアクセシブルではないために、障害者は外出して何かをすることが困難だった。


それが、わたしたちを「見えない存在」にしていた。


そうなると、私たちは簡単に軽視され、無視される。私たちを受け入れることを関係機関に義務つけない限り、私たちは締め出され、見えない存在のままになる。


そして、私たちが締め出され、見えない存在になっている限り、誰も私たちが本来持つ力を見ようとせず、あしらわれて終わるだけなのだ。


p125より

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日本でも多くの「見えない存在」にされている方々が多くいます。


尊重されず、大切にされず、あまつさえ、一部の権力者たちの私腹を肥やすための道具のようにされている。


NHKの番組で、未だに印象に残っているのは、入院施設のある病院の上層部の方の言葉。


「私たちは受け入れ場所のない人たちを受け持っている。 特に犯罪などをして警察の仕事が増えるのを未然に防いでいるのだから感謝してほしい」と平然と、さも良いことをしているように話していた。


テレビで放送されることをわかっていて


確かに受け入れてくれる場所がなく困っている方々はいる。


しかし、だからといってそういった方々がまるで犯罪者のようなイメージを視聴者に与え、その上、犯罪を未然に防ぎ、警察の仕事を減らしているという酷い偏見や決めつけを持ち、劣悪な環境でも我慢しろというのは別です。


また、ある女性が刑務所から社会福祉施設に移動してきた時に、ここは刑務所よりも環境が悪いと言っていたのが印象に強く残っています。


日本でもこのような人権侵害が日常的にに行われているということです。


話を戻しますが、関係機関は五〇四条項を骨抜きにしようとロビイストを使って圧力をかけてきたそうです。


そして、政府は有力者たちの圧力に屈して、意図的に署名を遅らせていたようです。


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私たちは支持を求めてデモ行進をし、ロビー活動で攻め返し、政府に対する訴訟も起こした。


しかし、私たちがやったことのどれにも、反対勢力の力を上回って政府に署名させるほどの力はなかった。


p125より

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一九七六年後半にはジミー・カーターが大統領になるも、署名はされなかった。


選挙期間中にカーターはフォード政権下で起草された施行規則を「自分の」HEW長官に署名させることを公約としていたため、著者たちはギアを一段上げて頑張ることにしたそうです。


ところが、一九七七年、カーター政権下でHEW新長官となったジョゼフ・カリフォノは、施行規則に署名をするつもりなどまったくないようであったと著書は綴っています。


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第二部 一九七七年 バークレー・カリフォルニア


第五章 とらわれて


ある朝、著者は介助者のキャロルに引き出しから下着を何着か取り出し、歯ブラシと一緒に手渡した。


キャロルは朝の一連の介助に慣れていて著者が事務所で過ごす日に余分に下着を持っていくことは普通はないことを知っていた。


CILの副署長として出張は多かったが、この日に出張の予定がないこともキャロルは知っていた。


普段は一日の中で親密な時間を共有するふたりではあったが、著者はこの日は少し距離を置いた。


「今日はデモが少し長引くかもしれないの」


想定通りにいった場合、数日間は家に戻れない可能性があり、最悪の場合、著者は拘留されるかもしれなかった。


「障害のあるアメリカ人連合」の理事会にて、議長のユニス・フィリオートと、新しく事務局長に就任したろう者のフランク・ボーは、カリフォノHEW(保健教育福祉省)長官が施行規則に署名する気がない点に懸念を示していた。


このカリフォノ長官が遅らせれば遅らせるほどに施行規則を骨抜きにする変更が加えられる可能性が高かったからだ。


そのため、より強い圧力をかける必要があり、「フォード政権下で約束された四月五日までに施行規則が署名されなければ、全米でデモが行われることになる」

という動議を採択し、HEWに対してさらなる警告を与えるために声明も発表したそうです。


今日が、その四月五日であった。


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次回、CILの総力を決してHEWに著者たちは進む。


ジョー・マルドナド局長との話し合い。


「五〇四に署名しろ! 五〇四に署名しろ! 修正は加えるな! 五〇四を修正なしで署名しろ!」を書いていきます。


よろしくお願いします。


私は毎週、日曜と水曜を担当させて頂いております。


もし、今回の記事に対して何か感じる事がありましたら、ぜひ、皆さんの声もお聞かせ頂けたら幸いです。


最後までお読み頂きありがとうございました。



担当:くまたん


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過去記事のリンク


ぜひ、こちらも読んでみてください♪



シリーズ① 「チベットの生きる魔法」

"師からの助言"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/20/120000



シリーズ② 「チベットの生きる魔法」

"物事は悪くとってはいけないよ"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/23/120000



シリーズ③「チベットの生きる魔法」

"変化しないものなどない"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/27/120000



シリーズ④「チベットの生きる魔法」

"無我について"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/30/120000



シリーズ⑤「チベットの生きる魔法」

"苦、不満足について"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/04/120000



シリーズ⑥「チベットの生きる魔法」

"ただここにあることをまなぶ"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/07/120000



シリーズ⑦「チベットの生きる魔法」

"戦士のスローガン"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/11/120000



シリーズ⑧「チベットの生きる魔法」

"四つのかぎりない特性"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/14/120000



シリーズ⑨「チベットの生きる魔法」

"愛あふれる優しさ"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/18/120000



シリーズ⑩「チベットの生きる魔法」

"愛あふれる優しさ②"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/21/120000



シリーズ11「チベットの生きる魔法」

"思いやり"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/25/120000



シリーズ12「チベットの生きる魔法」

"トンレン"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/28/120000



シリーズ13「チベットの生きる魔法」

"心に響いた言葉"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/01/120000



シリーズ14「チベットの生きる魔法」完結

"偏見のない心で"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/04/120000


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シリーズ① 「死について41の答え」

"疑いを尊重する"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/08/120000



シリーズ② 「死について41の答え」

"疑いを信頼する"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/11/120000



シリーズ③ 「死について41の答え」

"信者ではなく探求者に"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/15/120000



シリーズ④ 「死について41の答え」

"人のことを考えるな"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/18/120000



シリーズ⑤ 「死について41の答え」

"この世から自由になる"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/22/120000



シリーズ⑥ 「死について41の答え」

"この世から自由になる②"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/25/120000



シリーズ⑦ 「死について41の答え」

"未知なるたび"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/01/120000



シリーズ⑧ 「死について41の答え」

"死は最後のタブー"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/05/120000



シリーズ⑨ 「死について41の答え」

"自分を犠牲にしない"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/08/120000


シリーズ⑩ 「死について41の答え」完結

"全世界を忘れる事だ!"

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/12/120000


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シリーズ① 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/15/120000


シリーズ② 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/19/120000


シリーズ③ 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/22/120000


シリーズ④ 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/26/120000


シリーズ⑤ 「わたしが人間であるために」

https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/10/03/120000


シリーズ⑥ 「わたしが人間であるために」

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シリーズ⑦ 「わたしが人間であるために」

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シリーズ⑧ 「わたしが人間であるために」

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シリーズ⑨ 「わたしが人間であるために」

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シリーズ⑩ 「わたしが人間であるために」

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シリーズ11 「わたしが人間であるために」

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