こんにちは、くまたんです。
今回もジュディス・ヒューマンさんの
「わたしが人間であるために」を
ご紹介させて頂きます。
よろしくお願いします。
「 わたしが人間であるために 」〜シリーズ⑧
第三章 闘うか闘わざるべきか
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ACLUの対応が、
わたしに闘う決意を固めさせた。
ACLUでさえ教育委員会の行為がなぜ差別か理解できないのなら、わたしに起きたできごとを世にぶっ放すまでだ。
p91より
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前回は「教育委員会に対して訴訟を起こす」
というアイデアは出たが、そもそもACLU(アメリカ自由人権協会)でさえ理解できなかったことを理解し、教育委員会の決定が公民権の問題だとわかってくれる弁護士なんているんだろうか?
という問題に著者はぶつかります。
そんな中、まずは広報に力をいれることにしました。
学生時代からの知り合いで、ジャーナリズム専攻だった障害のある男の子が「ニューヨークタイムズ」で非常勤の地方特派員をしていたので、今回の教育委員会の決定について話をした翌日、アンドリュー・マルコムという記者から電話があり、インタビューを受けたそうです。
その1週間後
「車いすの女性、教師になるため告訴」という見出しで記事がでました。
1970年 この時、著者は22歳でした。
記事が出るかも…程度にしか期待をしていなかった著者の思惑とは違って、ニューヨークタイムズは大々的に取り上げてくれていたのです。
さらに翌日にも著者が教職に就くことを支持する社説も掲載してくれたのです。
そして、この新聞の記事が著者に奇跡のような出逢いを引き寄せるのです。
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その日の午後、一本の電話があった。
電話口の男性はロイ・ルーカスと名乗った。
ジェームス・マディソン法律センターの弁護士で、「ニューヨークタイムズ」の記事を読んだこと、公民権に関するプロジェクトを実施中で、ぜひわたしにインタビューをしたいと、感じよく、控えめに伝えてくれた。
〜中略〜
電話を切る直前、わたしの弁護士になってくれるかと尋ねた。ロイは快諾してくれた。
わたしは興奮して電話を切ると、歓声を上げた。
p93より
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ロイは障害者にも権利があると根本的に信じてくれていて、著者やその友人たちがやっていることは正しいことで、絶対に必要なことだという強い信念を持って裁判を引き受けてくれたと著者は綴っています。
公民権に詳しい弁護士との出会いの次の日。
今度は著者の父親とおじが営む肉屋のお客さんであったエリアス・シュヴァルツバートという男性が代理人になることを申し出てくれたことで、
法廷での代理人探しにどう取りかかれば良いのかと無力感に襲われていた著者に、気づけば弁護団ができていたそうです。
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このことからも、自らの直感に従い、
どんな問題も解決できると信じていれば、
物事は上手くいくことがわかる。
p94
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ここから著者のターンが始まります。
メディアによる一斉攻撃が始まり
「ニューヨークポスト」が「ニューヨークタイムズ」に加勢し、著者を支持する社説を掲載。
「ニューヨークデイリーニュース」は
「ポリオでも、教師どころか大統領にだってなれる」という見出しの記事が載る。
(これは第32代アメリカ大統領のルーズベルトがポリオであったことからつけられた見出しと見られる。)
その後も著者には次々と取材の電話があり、新しい記事は続々と掲載されていった。
道で知らない人に呼び止められて
「わたしも差別された経験があるんだ」とある男性は伝えてくれた。
「父はわたしが生まれてからずっと職に就いたことがありません」と別の女性は教えてくれた。
「ぼくの妹は障害があるからって学校に行かせてもらえないんだ」とある男の子は悲しそうに教えてくれたそうです。
これらの多くの悩める方々の言葉もまた、著者の背中を押したのはいうまでもないと思います。
その間も何人かの女性下院議員がニューヨーク市に手紙を書き、教育委員会へ質問をしてくれたり、ニューヨーク市長のジョン・リンジーも著者の主張を支持する旨の手紙を試験委員会に送ってくださったそうです。
一人の勇気ある決断と行動は時にして大きなうねりを作り出し、多くの人たちの心を動かす時があると歴史は証明してくれています。
この時、著者は「トゥデイ」という番組にも出演しており、「今まで無視され、あしらわれ続けたあの年月を経て、関心を集めて道を正すチャンスが私たちにやっと到来したのだ。私たちには、できることがあるはずだ。」と改めて決意を新たにしたそうです。
そして、改めて著者が望んでいたことは何かを考えていった時、本当に望んでいたことは、「車いすユーザーが教師になれない理由などどこにもないということ、私たち自身がなりたいと望み、決めたものになれない理由など、どこにもないということを世間に示すこと」だった。
この言葉はとても胸に響きました。
わたしの友人も「ただ、一人暮らしがしたい」だけなのにそれを受け入れ理解しようとしない人たちに苦しめられています。
特別なことなど求めていないのに。
特に、自立をサポートする支援の方々は、自立の機会を奪ってしまうケースも多くある。
「あなたが心配だから」という言葉でと縛りつけ、サポート、見守りをやめ監禁のようなものまである。
尊重や思いやりがまるで感じられない言動や行動には怒りすら感じる時もありまさ。
支援したいのか、足をひっぱりたいのか分からない時もある。一人の人間の人生や時間、心を大切に扱えない方が支援職につくケースも多く見てきた。
著者のこの言葉は、全ての方々に自らの胸に再度問いかけてほしいと思うエピソードでした。
話を戻します。
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わたしはこのとき、人生で初めて、誰かと一緒に運動をすることで自分がどれだけ力づけられるかを知った。
自分ひとりでは変化を起こせないと気づいたとき、本当の意味で物事は動き出す。
自分の家族をみても、最初からみんな運動家だったわけではない
自分のためだけではなく、みんなのためになる事柄を求めて闘うことの中にこそ、強さを見出せた人たちがいる、ということだと思う。
p96より
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自分ひとりでは変化を起こせないと気づいたとき、本当の意味で物事は動き出す。
この言葉も、わたしの胸にとても強く響きました。
「自分のためだけではなく、みんなのためになる事柄を求めて闘うことの中にこそ、強さを見出せた人たちがいる、ということだと思う。」
この言葉をこの先も忘れずに
胸に刻んでいきたいと思います。
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次回は著者の公判の日のお話。
そこで担当した判事との奇跡的な出会い。
判決の結果、第三章の最後までを書きたいとおもいます。
私は毎週、日曜と水曜を担当させて頂いております。
もし、今回の記事に対して何か感じる事がありましたら、ぜひ、皆さんの声もお聞かせ頂けたら幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
担当:くまたん
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過去記事のリンク
ぜひ、こちらも読んでみてください♪
シリーズ① 「チベットの生きる魔法」
"師からの助言"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/20/120000
シリーズ② 「チベットの生きる魔法」
"物事は悪くとってはいけないよ"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/23/120000
シリーズ③「チベットの生きる魔法」
"変化しないものなどない"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/27/120000
シリーズ④「チベットの生きる魔法」
"無我について"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/30/120000
シリーズ⑤「チベットの生きる魔法」
"苦、不満足について"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/04/120000
シリーズ⑥「チベットの生きる魔法」
"ただここにあることをまなぶ"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/07/120000
シリーズ⑦「チベットの生きる魔法」
"戦士のスローガン"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/11/120000
シリーズ⑧「チベットの生きる魔法」
"四つのかぎりない特性"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/14/120000
シリーズ⑨「チベットの生きる魔法」
"愛あふれる優しさ"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/18/120000
シリーズ⑩「チベットの生きる魔法」
"愛あふれる優しさ②"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/21/120000
シリーズ11「チベットの生きる魔法」
"思いやり"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/25/120000
シリーズ12「チベットの生きる魔法」
"トンレン"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/28/120000
シリーズ13「チベットの生きる魔法」
"心に響いた言葉"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/01/120000
シリーズ14「チベットの生きる魔法」完結
"偏見のない心で"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/04/120000
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シリーズ① 「死について41の答え」
"疑いを尊重する"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/08/120000
シリーズ② 「死について41の答え」
"疑いを信頼する"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/11/120000
シリーズ③ 「死について41の答え」
"信者ではなく探求者に"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/15/120000
シリーズ④ 「死について41の答え」
"人のことを考えるな"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/18/120000
シリーズ⑤ 「死について41の答え」
"この世から自由になる"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/22/120000
シリーズ⑥ 「死について41の答え」
"この世から自由になる②"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/08/25/120000
シリーズ⑦ 「死について41の答え」
"未知なるたび"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/01/120000
シリーズ⑧ 「死について41の答え」
"死は最後のタブー"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/05/120000
シリーズ⑨ 「死について41の答え」
"自分を犠牲にしない"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/08/120000
シリーズ⑩ 「死について41の答え」完結
"全世界を忘れる事だ!"
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/12/120000
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シリーズ① 「わたしが人間であるために」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/15/120000
シリーズ② 「わたしが人間であるために」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/19/120000
シリーズ③ 「わたしが人間であるために」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/22/120000
シリーズ④ 「わたしが人間であるために」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/09/26/120000
シリーズ⑤ 「わたしが人間であるために」
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シリーズ⑥ 「わたしが人間であるために」
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