※『アコアOnlineBookSalon』は「コロナウィルス感染症:いのちとこころを守るSOS基金」に寄せられた市民の方のご寄付によるご支援を頂き2021年12月末まで行う事業です。
担当:伊藤 楓
「子どもを生きればおとなになれる」
著者:クラウディア・ブラック
水澤都加佐 監訳 / 武田裕子 訳
―――
皆様こんにちは😊
「子どもを生きればおとなになれる」シリーズ④です。
前回のシリーズ③では「境界の混乱」
について、書きました。
今回は、「喪失が与える影響」について
書きたいと思います。
皆様は、喪失したものが自分に与える影響を
考えたことがありますか?
例えば、このようなものかもしれません。
なぜ、いつもモヤモヤしてるんだろう。
なぜ、いつも悲しい気持ちになるんだろう。
なぜ、いつも生きづらさを感じているのだろう。
なぜ、いつも人を傷つけてしまうのだろう。
なぜ、素直に自分の意見を言えないのだろう。
などの様々な悩みや苦悩を抱え生活している方も
いるかと思います。
今回のテーマを一緒に考えていきましょう!
喪失体験の中でも、強く否定的な力を出す場合、
同じような体験でもどのように影響し、
どのくらい深刻に影響するかは下記のような
要因で違うそうです。
🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹
▫️それが起こった年齢による違い。
→年齢が小さいほど、傷つけられやすい。
▫️不名誉な評判がともなうかどうかの違い。
→社会から否定的な目で見られやすい体験は、
より重大な影響を感情にもたらす。
例えば、仕事中毒の家庭よりも、子どもに
暴力をふるう家庭に育つことは不名誉と
みなされやすい。
▫️外部のサポートが存在するかどうかの違い。
→祖父母など親戚とのつながり、友人の家族
とのつながり、学校の課外活動など、
「家庭の外」で子どもの自己否定感を軽減して
くれるような人間関係や活動にであえるかどうか。
▫️喪失が積み重なることによる影響
→たとえば、親が依存性でしかも子どもを
殴る場合、どちらかひとつのときに比べて
トラウマは深刻になる。
🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹
ここまで読んできて、どうでしょうか?
「確かにそうだけど、でも…」
「でも両親は悪いところばかりじゃなかった。
親としていいところもあった」
「でも、母が教えてくれたことだってあるし…」
このように、同時に親から与えられたもの
だってあるでしょう。
それは、大切にすべき贈りものです。
また、子ども時代の生活の中で次に何が
起きるかを少しでも予測しようとし、
痛みから身を守ろうとしてきたことで、
私たちは物事に対処していく術をみがき、
それは豊かな資質にもなってきたのです。
「人生に痛みをもたらす出来事が
起こったからといって、
私たちが親から与えられた贈り物や、
自分自身で身につけてきた強さは少しも
損なわれることはありません。」
とはいえ、自分の強さを強調するあまり、
痛みを大したものではないように扱って
「話すな」のルールをよみがえらせることが
ないよう、注意が必要です。
自分の喪失を認め、痛みとまっすぐに向き合う
ことをしない限り、それが引き起こす感情は、
しばしば水面下で、おとなとしての私たちに
影響を及ぼし続けます。
<p39より抜粋>
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
私の場合、喪失の影響を受けまくっていた
思春期時代は、常に死にたいとばかり考えていました。
それは、「他人からの間違えたメッセージ」を
受け取り、そのメッセージを信じ、喪失感を
抱え、間違えた信念(希死念慮)を掲げた結果、
自己否定ばかりしていたのです。
今の大人になった私は、
他人からの間違えたメッセージを
否定し、受け取らないという選択が出来ます。
ときに受け取ってしまっても、信頼できる
仲間に相談し、解決することが出来ます。
では、影響を及ばせないためには、
具体的にどうしたらいいの?
と、考える方も多いと思います。
著者はコースを変えると言っています。
まとめてみした。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「コースを変える」
<私たちはおとなになっても、かつてのルールを
自分に課しています。>
・自分の感覚を信じない
・裏切られないように身構える
・口をとざす
・こらえる
♡┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈♡
〖古いルールに従う人生から、自由に語り
信じ、感じる生き方へと変えるには?〗
☆世代を超えて引き継がれたルールのもとをだどる。
☆古いルールを問い直す。
☆あなた自身の新しいルールをつくる。
そして同時に↓
☆"過去の出来事"なのに"今も"あなたを
傷つけているものに向き合い、悲しみを
癒す作業が必要です。
このように「再生のプロセス」を通ることで、
人生のコースを変えることができるのです。
♡┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈♡
・自分はどこか変なのではと疑う
・見かけを完璧にとりつくろう
・超人的な努力をする
・人々を遠ざけるバリアを張る
☆これらを続ける必要はありません。
自分で選びさえすれば、新しい生き方は可能です。
▷▶︎いつからでも、何歳であろうと、
回復はあなたが望みさえすればそこにあります。
- ̗̀ 💡 ̖́-
生き方のコースを変えることは
「あなたがあなたでなくなる」ことではありません。
「本来のあなたでないもの」に縛られなくなる
という意味なのです。
それは、痛みから「自由になる」こと。
あなたという人間は、「痛み」が洋服を着て
歩いているわけではないのです。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈p42から抜粋
自由になるために、いったん
「過去の痛みの中を通りなおす必要がある」
と、著者は言っています。
私たち大人は、もう無力な子どもでもないし、
ひとりぼっちではありません。
今、現在は、自由な選択が出来る大人なのです。
私たちがかつて子ども時代に経験したことは、
(見たり、聞いたり、感じたこと、そこから
受け取った解釈)あくまで、子どもの視点に
よるものなのです。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
子どものあなたがその体験から
「自分に価値はない」「私が悪いんだ」
と信じこんだとしても、それは真実では
ありません。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
過去と現在とのつながりを探ることは、
もう、危ない目にあうこともなく、
恐怖に突き動かされることがない。
自由が、あなたを動かす力となるのです。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
こころの回復、こころの再生には、
プロセスが必要です。
私は、こころによいものを!と考え、
極端なプラス思考の考えばかりを詰め込んだ
時期もありました。
こころが回復していないから、無理な
プラス思考は、トラウマばかりが爆発し、
余計にしんどくなりました。
こころの回復への道は「ひとつ」だけでは
ありません。
ひとりひとり、様々なエピソードがあり
比較し競うものでもありません。
自分自身が過去の出来事を理解し癒さない限り、
ずっとしんどいまま、仮面を被り生きづらさに
追われ、不自由なままなのです。
だからこそ、こころを再生することが
大切なのです。
私たちはもうおとなです。
親や大人たちに「抑圧」されていた頃の
子どもではありません。
これからは、自由な選択をし、自由な心で
人生を楽しんでみましょう!
シリーズ③を読んで下さりありがとうございます。
次回引き続きシリーズ④をご紹介します!!
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「私は素晴らしい」
「私はこれでいい」
「私には価値がある」
私は、いつかこころからあなたが
心から言えることを願っています。
クラウディア・ブラック
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様々な本に出逢える幸せと
この記事を読んで下さる皆様へ感謝致します。
楓
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【伊藤 楓:前回ご紹介した本】
「子どもを生きればおとなになれる」シリーズ①
「何を喪失したのか分からない」
→ https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/16/120000
「子どもを生きればおとなになれる」シリーズ②
子どもが「見捨てられる」
→ https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/19/120000
「子どもを生きればおとなになれる」シリーズ③「境界の混乱」
→ https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/23/120000
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「考える人とおめでたい人はどちらが幸せか」
シリーズ①「考えることを楽しめ!」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/09/120000
「考える人とおめでたい人はどちらが幸せか」
シリーズ②「どうして学校に行かなければならないのか」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/12/120000
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「世界最高の教室」シリーズ①
「生きる力をつける」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/28/120000
「世界最高の教室」シリーズ②
「問題解決型学習」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/02/120000
「世界最高の教室」シリーズ③
「自己主導性」
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/07/05/120000
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「新・子どもの虐待」
シリーズ①「子どもの虐待対応フレームワーク」について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/04/120000
シリーズ②「エンパワメントとレジリアンシー」について→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/07/120000
シリーズ③「子ども観と子ども像」について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/11/120000
シリーズ④「体罰の六つの問題」について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/14/120000
シリーズ⑤「怒りの仮面」について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/18/120000
シリーズ⑥「性的虐待の深刻さ」について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/21/120000
シリーズ⑦「DVが及ぼす影響」について
→https://npoacoa.hatenablog.com/entry/2021/06/25/120000
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〇エンパワーチャンネル1/2
「社会的養護の当事者が語る 前編 伊藤 楓」
〇エンパワーチャンネル2/2
「社会的養護の当事者が語る 後編 伊藤 楓」
→ https://youtu.be/KTi7y8lQx8Y
〇エンパワーチャンネル→https://youtube.com/channel/UCifhmLrFFzWMz5Eq8mr-hTA
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